岩崎花奈絵さんは、障がいを持ちながらも、演奏を披露するピアニストです。
早産で生まれ脳性まひによる障がいが残るも、6歳で始めたピアノを愛し、今年1月に初のソロアルバムを制作。海外での演奏も多く、ウィーン国際障害者ピアノフェスティバルでの特別聴衆賞など、幾つか受賞もあります。
30日(日)には、通っている「どろんこ作業所」の40周年記念イベントで、ベートーベン「喜びの歌」などを披露します。
(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)
14歳で海外デビュー
ピアノは主に右手の人差し指1本で弾きます。
演奏会などでは母との連弾スタイル。一音一音が丁寧に弾かれ、しっとりした音色が胸を打ちます。
ピアノを始めたのは、先に習っていた4歳上の姉の影響。発表会の客席で「私も出たい」と母にねだったといいます。
四肢体幹機能に障がいがあり、姿勢を保つのが難しいため、練習は1時間が限界。しかし、子どもの頃から演奏会に積極的に出演してきました。
14歳のときにはニューヨークで開催の「ピアノパラリンピック・デモンストレーションコンサート」に、16歳のときには「バンクーバー国際障害者ピアノフェスティバル」に出演し、このときは入賞も果たしました。
以降、台湾に招待されたり、障がいのある仲間とつくる演奏グループ「音のりぼん」でアメリカやメキシコに出かけたり。演奏会は現在、年間約30本をこなしています。
恩師が作ってくれた曲をソロアルバムに
今年1月には、ソロアルバム「一輪の花」(7曲収録)を制作しました。
タイトルには、3年間学んだ国立音楽院の指導者・池田公生さんが20歳の記念にと作ってくれた、いちばんのお気に入りの曲名を選んでいます。
ちなみに、このCD制作は、池田さんが理事長を務めるNPO法人「夢のはな奏であい」の呼びかけで実現しています。
「自分らしくやろう」
演奏しながらいつも思うのは、「『できないことがあるから頑張らなきゃ』ではなく、自分は自分らしくやろう」ということ。
「思うように動くことができない体でも、できることがあるのだと伝えたい」
と話します。
「演奏がどうこうではなく、私の姿を見て、病気や障がいのある人が少しでも元気になればうれしいですね」
◆いわさき・かなえ 1993年生まれ、練馬区在住。約3年前から西東京市東伏見の「どろんこ作業所」に週4日ほど通っています。CDはほかに、仲間と共に制作した作品が2作あります。受賞歴にJASRAC音楽文化賞など。演奏はユーチューブでも公開(https://youtu.be/kkEpLRE2Kr0)。(※編集部注:岩崎さんの「崎」は、正しくは山偏に「立」「可」です)
◇ アルバム「一輪の花」は1080円。全国CD取扱店、ネットショップなどで購入できます。
(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)
◎岩崎花奈絵さん演奏の動画 youtube「一輪の花」 (※上記本文中のリンクと同じ)