佐藤恵美さんは、国立音楽大学附属中学・高校のピアノ講師で、西東京市向台町の自宅でも教室を開くピアニストです。
指導者として活動する一方、「音と絵本のコンサート」という独自のパフォーマンスを精力的に展開しています。
好きが高じて「絵本セラピスト」の資格も取得。今週末21日(土)にも、市民企画のイベントで「絵本と音楽のワークショップ」を行います。
(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)
「シューマンと同じ誕生日」がきっかけで
ピアノを始めたきっかけは、「同じ誕生日に誰がいる?」という小学校での課題。シューマンがいることを知り、どんな人? 音楽家? どんな曲を作ったの? と興味が広がり、「トロイメライ」に魅せられて習い始めました。
みるみる才能を開花させ、中学から国立音楽大学附属校へ。同大学院を首席で卒業し、国際ロータリー財団奨学生としてドイツに留学もしました。
かの地で衝撃を受けたのは、人々の生活に音楽が根ざしていること。教会、老人ホーム、町の集会所とさまざまなところから声がかかり、時には伴奏、時には独奏を求められました。
音楽、そして絵本
同じ光景を日本でも――。
そんな思いで帰国後は、会場の大小を問わず、町の中でどこででも弾きました。
乳幼児とママたちのための定期演奏会を開いていた時期もあります。
状況が変わったのは、父の介護が始まってから。日常に余裕がなくなり、学校と自宅での指導だけで手いっぱいとなったといいます。
そんなときにふと手が伸びたのが、子どものときに大好きだった絵本でした。
心癒やされている自分がいることに気づき、「もしかして、大人も絵本を必要としているのでは?」と絵本セラピーの講座に通い出しました。
「知識偏重の社会で、パソコンやスマホで映像もあふれています。そのせいで人々はイマジネーションの力を失っていると思います。
イマジネーションを生むのは心。心を豊かにするのに、絵本や音楽はぴったりです」
絵本に合わせた曲の披露など、オリジナルさが好評
絵本と音楽を組み合わせた独自の舞台は、「くるみ割り人形」を音楽で表現してみせたり、絵本のページの合間に小曲を弾いてみせたり。
イメージを膨らませる演出は、大人や子どもの対象に合わせて、自在に変えています。
「いろいろな人に出会えるのは、私にとってより良い演奏、指導のために必要なこと。絵本と音楽を通して、これからも多くの人と交流していきたいです」
◆さとう・えみ 7歳から西東京市在住。国立音大などの成績優秀者に贈られるクロイツァー賞受賞者。ドイツ・デトモルト音楽大学大学院を最優秀で修了。向台町で開くEmi Piano教室では4歳から80代まで幅広く指導。認知症予防音楽体操士として定期的に音楽体操の指導も。教室への問い合わせはemiehon@gmail.comへ。
絵本と音楽のワーク
佐藤さん出演の「絵本と音楽のワークショップ」は、21日午後2時から、同市田無公民館で開催。「都市計画道路 田無3・4・7を考える会」が公民館市民企画事業で企画実施のイベント。佐藤さんは、自然環境の大切さなどを絵本や音楽で表現する予定。詳しくは藤川さん(042・461・0188)へ。
(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)