笑いの神に導かれた 落語家 林家久蔵さん

林家久蔵さんは、最高位の「真打」になり10年以上の落語家です。

13日(金)には、西東京市保谷こもれびホールで「地元出身真打登場!」と題した落語会に出演します。

(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

 

小3の”初ギャラ”に胸をときめかす

落語との出会いは小学3年生の頃。子ども向けの落語の本に熱中し、筋を覚えるまで読み込みました。

そんな頃の、遠足の帰り道。みんな疲れて静かな電車内で、落語を語ってみせました。

「よく覚えたねぇ。これ、どうぞ」

乗り合わせた高齢夫婦からもらった菓子が“初ギャラ”となりました。

「喜んでくれる人がいるんだぁ」

漠然と芸人への憧れが芽生えた瞬間でした。

 

吉本のオーディションでプロを決意

進学は早稲田の付属高校から大学へ。有名大学だけに将来の選択で揺れました。

水物の芸人の世界か、手堅い企業での終身雇用か。

「力を試そう」と受けた吉本新喜劇のオーディションで道が定まりました。

「受かったらプロ、落ちたら宴会部長。そう思って受けたら、笑いの神が降りてきたんです」

 

勢い余って鼻汁がズルッ

披露したのは映画ロッキーの物まね。パンチのたびに鼻息でフンッ! フンッ! と音響を付けていたら、勢い余って鼻汁がズルッと……。

慌てて吸い込むと、まるで漫画のように鼻汁が弧を描いて鼻腔に収まりました。

「きみ、おもろいねぇ」

120人中でたった1人の合格。自信を得ると、芸人になるなら関東でと、林家木久扇(当時は木久蔵)の門を叩きました。

 

「見ている人は見てくれている」

下積み時代に感じたのは、「見ている人は見てくれている」ということ。裏表なく誠実に頑張っていると、後になって師匠や先輩から褒められました。

「落語の世界では『芸は人なり』といいます。ぜひ寄席で、落語家の顔つきや仕草、雰囲気を見て、感じてほしいですね」

自身も人間磨きに余念がありません。

日常生活のなかでは、ちょっとゴミ拾いをしたり、分け隔てなく人に話しかけたり。そんなところを見込まれ、現在は娘が通う小学校でPTA会長も務めています。

はやしや・きゅうぞう 1969年西東京市出身。保谷第一小学校、青嵐中学校卒業。同市の公民館講座や消防署の講演会で講師を務めたこともあります。現在は都心在住。結婚式やイベントの司会なども請け負っています。

 
保谷で落語会

「林家久蔵 落語会」は、13日午後7時開演。入場料1600円。NPOプラス・ド・西東京が、11周年記念として主催。詳しくは同NPO(042・439・6535)へ。

(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

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