63年かけて収集した160種超
国分寺境内の一角にある「万葉植物園」には、国の有様や人々の生活を歌で表現した「万葉集」に歌われた木々や草花160種以上が植えられています。
前住職の星野亮勝さんが、「当時の人々の考え方や生活を知り、往時を偲ぶことができれば」との思いで、1950年から63年にかけ、周辺の山を探し回り、採集したものです。
各地に存在する万葉植物園の先駆けとも言われており、同植物園の植物は、市の天然記念物として指定されています。
木や花には、ゆかりの歌を記した札が掲げられていて、それらの植物を見て、当時の歌人たちが何を感じたのかを知ることができるようになっています。
紫草は必見
同園に来たら一目見ておきたいのは、万葉集の中で17首詠まれていることなどから、同書を象徴する植物とも言われる「紫草」です。
外来種の台頭によって生息域が狭まっていることなどから、絶滅危惧種に指定されているほどで、入手するのに苦労したそうです。
やっとの思いで採取しても、病気に弱く、枯れてしまうとのことで、近年は、岩手から株分けしてもらったものを見ることができます。
3月になると、紫色の花弁が美しいカタクリが咲き始めます。
カメラを片手に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
<スポット情報>
◎国分寺市西元町1-13-16
◎開園時間:午前10時〜午後4時
◎無料