西東京市の子ども家庭支援センターが事務所を置く「住吉会館ルピナス」の2階には、子育て広場「のどか広場」があります。市内の3歳までのお子さんが利用できる広いスペースには、豊富な遊具やおもちゃがあり、子どもたちの楽しそうな笑い声が……。授乳室やランチルームがあるほかにも、ベビーベッドや加湿器、床暖房を完備するなど、居心地の良さが好評で、多い時には1日50組以上の親子、年間約3万人が訪れる憩いの場となっています。(※市外の方が利用できる子育て広場は、コール田無にピッコロ広場があります)
今回は、2児の父でもある記者・石川が、親目線で「のどか広場」の魅力をレポート! 子ども家庭支援センターへの相談を考えている人はもちろん、気分転換に子どもと外出したいという方は、ぜひ足を運んでみてください。
<入口>
おっと! 早速、親目線のポイントを発見しましたよ。ほら、見てください!
自動ドアのボタンが、子どもには届かないように扉の上部にあるんです。小さい子どもは、目を離すとすぐに走ってどこかに行ってしまうので、これは安心ですね。
入口と広場の間には、下駄箱が。小さい子どもと外出すると荷物が多いので、荷物を置けるように広々としているのがいいですね。ちなみに、写真の左手には相談室が複数あり、子育ての悩みなどを相談することができます。
<全体>
この広さ、伝わりますか? 子どもと児童館に行くと、走り回っている子たちが、我が子にぶつかってこないか心配になる時がありますが、これだけ広いと安心です。遊具もたくさんあって、子どもはうれしいだろうなぁ。
部屋の隅や授乳室にはベビーベッドが複数台あります。それだけ多くの親子が足を運ぶということで、ママ友やパパ友との出会いにもつながりそう。
広場内には床暖房も完備されており、子どもの体を気遣っていることが伝わってきます。
<荷物入れ>
もちろん、親への気遣いもバッチリです! 荷物置き場は一人ひとりのスペースが広いので、荷物が多くても大丈夫。
<遊具&おもちゃ>
遊具やおもちゃは男女ともに楽しめるものが、いくつもあります。「次はこっち」「次はあっち」と、子どもの目がらんらんと輝く様子が目に浮かびます。
<読書コーナー>
読書コーナーには、絵本をはじめ、子ども向けに幅広いラインナップを用意。子ども用の小さいソファーがキュートです。
<ランチルーム>
読書コーナーに隣接する、ランチルーム。
電子レンジや赤ちゃん用の布団があります。さらに……。
冷蔵庫もあります! これなら、夏場に長時間滞在する場合も安心ですね。
ストッパーが付いていますので、子どもは開けられません。
台拭きは、常に新しいものを設置。
赤ちゃん用の椅子もあります。
<授乳室>
授乳室にもベビーベッドがあります!
赤ちゃん用の布団や、ミルク冷まし用の容器もバッチリ。
<お知らせコーナー>
幼稚園や預かり保育、地域センターの情報などを掲示。イベントを把握したり、幼稚園や保育園に関する情報収集もできますね。
地域の子育てサークルなどの情報も。
<トイレ>
トイレは子ども用便器もあります。
<利用者の声>
こちらは、市内に引っ越して約半年のママさん。背中には赤ちゃんをおぶっています。子ども家庭支援センターに来るのは、この日が2回目だそうです。
「前回来た時に、子どもが広い空間でのびのびと遊べるのがいいなと思ったんです。今日は雨が降っていますけど、雨の日こそ、家じゃなくて外に行きたいので、駐車場があるのも大きいポイントです。あとは、家の外でママさんたちと話せるのも大きいですね。この辺のことがまだ全然わからないので、おすすめのお店を教えてもらったり、先輩ママに幼稚園のことを教えてもらえたり」
<職員の声>
こちらは子ども家庭支援センターで働く、保育士の小須田さんと鈴木さん。小須田さんは「まずは、『よく来て下さいました』とママを労いたいです。小さい子どもがいると、外出するだけでも一苦労じゃないですか。初めてのお子さんなら、なおさらです。でも、ずっと家にいると気持ちも塞がってしまいますから、ここに来てくれた時は、子どもはもちろん、少しでもママが楽しい時間を過ごせるようにと思っています」と、ママへの思いを話してくださいました。
鈴木さんからは、「子育て広場のどか」に来て、2人目を産もうと思えたというママさんが何人もいる、というお話が。
「赤ちゃんをベビーベッドに寝かせて、大きいお子さんと楽しそうに遊んでいる先輩ママの姿を見て、『2人目を産んでも大丈夫だと思えたんです』と、赤ちゃんを連れて来てくださるママがいて。こんなにうれしいことはないですよね」
「子育て広場のどか」では、お誕生日会をはじめ、毎月さまざまなイベントを行なっているので、まずはイベントに参加するのもおすすめ。ママはもちろん、パパや祖父母と一緒に来る子どももたくさんいるそうですよ。
<取材記者の一言>
前編・後編に分けてお送りした、子ども家庭支援センターの記事、いかがでしたか。地域に頼れる場所がある、一人ではないということが、少しでも多くのママさんたちに伝わればと幸いです。
今回、子ども家庭支援センターのセンター長・日下部さんにもお話を伺ったのですが、次のようなことを話していました。
「住吉会館ルピナスには、子ども家庭支援センターのほかにも、住吉老人福祉センターが入っており、『世代間交流』がコンセプトになっています。同世代の方や、異なる世代の方と触れ合うことで、視野が広がるはず。この場所が、子どもはもちろん、子育てをしている親御さんにとって、何かの種になれれば」
何かの種——それは、何かが変わるきっかけなのだと思います。例えば、自分なら、この取材をきっかけに、「妻の負担を軽減するためにも、子育てにもっと参加しないと」と思ったり……。見知らぬ誰か・何かとの出会いによって、自分という存在の中に種がまかれ、どんな風に芽を出していくのかを考えると、少しだけワクワクする石川でした。
(文・石川裕二)