[タウン抄]小選挙区と比例

2024年11月19日

タウン抄

「タウン通信」発行人・谷 隆一コラム 

先日の衆議院議員選挙の結果を見て、白けた気分になった。本紙配布エリアの結果を見ると、西東京市が入る東京18区と、小平市が入る19区は都内屈指の激戦区で、当選者と次点の得票差がそれぞれ2182票、2464票しかない。ところが、次点の候補者は比例との重複立候補により、両区とも当選を果たしている。地元からたくさんの国会議員が出ることは喜ばしいのだが、正直言って、「この仕組みでは、投票に行く気は失せるわな」とも思った。

もちろん有権者からすれば、惜敗率への影響を及ぼせ、死票を減らせるメリットはあるのだが、だったら最初から中選挙区制にすれば良いわけで、1人を選ぶ選挙をやる意味がない。直後に実施されたアメリカの大統領選挙の「どちらが勝つか!?」という緊張感とあまりにも対照的で、投票率が上がらないというのは、要するに面白くないんだなと思わざるを得なかった。

さて、来年は西東京・小平・東久留米の3市とも市長選挙が行われる。たった1人を選ぶ選挙。盛り上がれば良いが。

【参考】
東京都選挙管理委員会(令和6年10月27日衆議院議員選挙)

谷 隆一

地域紙「タウン通信」発行人。著書に『議会は踊る、されど進む〜民主主義の崩壊と再生』(ころから)、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『起業家という生き方』(同、共著)、『スポーツで働く』(同、共著)、『市役所で働く人たち』(同)。商業誌などでも執筆。

 

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