「太鼓の達人」で勝負!
西東京市の豊富満子さん(88)、植田和子さん(85)、赤岩美由紀さん(68)の3人が、19日から鳥取県で開催される「全国健康福祉祭とっとり大会(ねんりんピック はばたけ鳥取2024)」のeスポーツ交流大会に、東京代表として出場する。東京からは3人のみの出場。3人は「プレッシャーを感じずに、楽しんでこられたら」と意気込んでいる。
大会では、曲に合わせて太鼓を叩くゲーム(太鼓の達人)をプレイする。このゲームに3人が取り組んだのは、同市が実施するフレイル予防がきっかけ。市では、テレビゲームを活用して高齢者の虚弱を防ごうと福祉会館などで体験講座を開いており、多くの高齢者がそこでeスポーツに出会っている。
「夢中になってしまった」
「『ゲームなんて時間の無駄』と思っていたけど、体験したら面白くて夢中になってしまった」
と最年少の赤岩さん。
植田さんも「太鼓のリズムをもっと上手に取れるようになりたくて、最近の曲を聴くようになりました」と、ゲーム後の変化を語る。
フレイルサポーターでもある最年長の豊富さんは「二人一組でプレイすることもあり、自然と盛り上がる。おしゃべりが楽しいです」と話す。
eスポーツが初めて正式種目に
全国健康福祉祭は1988年から毎年実施されているもので、今回、初めてeスポーツが正式種目に採用される。3人が東京代表となるのは推薦によるもの。
なお、同市では、4カ所の福祉会館と2カ所の老人福祉センターでeスポーツに取り組める環境を整えている。
現在、連続講座も実施中。詳しくは高齢者支援課(☎042・420・2812)へ。
【取材余話】
eスポーツについては、高齢者の健康づくり(フレイル予防)として西東京市が取り入れたときから注目している。テレビゲームがシニアの輪を作るとは完全な盲点。しかし実際、プレイする彼女たちの様子は、楽しげで生き生きとしたものだった。ちなみに、メンバーの一人、最年長の豊福さんは、フレイルサポーターでもあり、福祉団体の役員も務めている。社会参加こそが元気の秘けつと、まざまざと見せつけられた。(谷)