今なお現役! 地域の看板作成や老人ホームで指導も
92歳になる西東京市の野口忠さんが、10月9日(水)から13日(日)まで、フレスポひばりが丘の2階イベントフロアで、「歴史と文化の書の個展」を開く。
書が好きで、独学で研鑽を積んできたという野口さんは、半世紀にわたり、地域の祭り会場やイベント会場の看板作成などをボランティアで請け負ってきている。
現役時代は谷戸商店街でお店を構えていたこともあり、特にひばりが丘周辺のイベントでは、野口さんの書が今なお掲示されている。
また、近くの老人ホームで書の指導も行っている。
大小さまざまな作品約200点
作品は、色紙大のものから20メートルに達する巻紙のものまで、大小さまざま。歴代天皇の名を記したものや、戦記の模写、寺院・神社の由緒、四字熟語など書かれた文字も多彩だ。中には読み物として面白いものもある。約200点にも及ぶ。
「この年になっても地域から声を掛けていただけてありがたい。感謝の気持ちで、作品を展示します」
と野口さん。
書の個展は今回が2回目。
展示は午前10時から午後5時までで、野口さんも会場に常駐している。
なお、会場には募金箱を設置し、集まった募金は西東京市社会福祉協議会に寄付する。
取材余話
野口さんにはこれまで、書の作品集を2冊と、自分史をご作成いただいている。茨城県出身で、10代で家を飛び出したという野口さんは、苦労しながら都内各所を転々とし、開発中だったひばりが丘に腰を落ち着けた。ひばりが丘では、コンビニエンスストアや喫茶店などさまざまな事業を展開。92年の人生には幾多の物語がある。そんな半生を想像しつつ、書を眺めてみてほしい。