新米ママのへその緒のような存在に
「わ〜、いいにおーい!」
玄関から聞こえた黄色い歓声の主は、赤ちゃんをおぶった一人の女性。その後も、赤ちゃん連れの女性たちが続々とやって来ては、「こんにちはー」と弾んだ声であいさつをします。
ここは、東久留米の住宅街にある「さかもと助産所」。一軒家を利用したアットホームな雰囲気が特徴で、集まった女性たちは、みな自宅にいるように腰を休めています。
離乳食づくり指導や、出産前後の体力づくりなど
さかもと助産所では、「へそっこサークル」という名称で、離乳食づくりを学ぶ会や、バランスボールによって出産前後の体力づくりなどを行うサークル活動を主催。
この日は、妊娠期・授乳期・子育て期の身体づくりを考えた健康食を食べる「みんなDE*ランチ」という会で、赤ちゃん連れのママや、臨月を迎えたばかりという妊婦の計9組が参加しました。
この日のメニューは、「冬の暖かランチ」というテーマで、ゴボウやショウガなどの体を温める食材を使用。
「豚肉とごぼうの炊き込みごはん」「にんじんとみかんのポタージュ」「鶏肉と大根のベトナム煮」「根菜のデリサラダ」「シレギと切干大根のナムル風」「葛がけりんご」の6品がテーブルに並ぶと、「おいしそう!」という声で、助産所内は一層賑やかになりました。
赤ちゃんにも安心の味付け
「料理は、赤ちゃんたちにも分けられるように味付けしています。離乳食に取り入れられるおかず、というのが大きなテーマなんですよ」と、調理スタッフの杉田さん。
ご飯を食べる際は、助産師の坂本深雪さんをはじめ、管理栄養士の資格を持つ調理スタッフ、研修に来ている看護学部の女子大生らも一緒に食卓を囲みます。
食事中は、坂本さんに育児の相談をしたり、調理スタッフに離乳食のコツを聞いたり、ママさん同士でお互いの子どもの成長を話したりと、同じテーブルを囲んでいても話題はさまざま。
途中、子どもが泣き出す場面もありましたが、助産所のスタッフが抱っこをするなど、あやしてあげることで、ママたちがゆっくり食事を楽しめるように対応していました。
「ゆっくり食事を楽しめるのがうれしい」
毎回この会を楽しみにしているという女性が、「何よりもご飯がおいしい! あとは、ゆっくり食事を楽しめるのがうれしいんです」と言うと、周りのママも「うんうん」と同調。
外食をしようとしても、子どもが泣くと周りに悪いと気を遣ってしまい、落ち着いて食事ができなかったりと、外食すること自体を控えてしまうのだそうです。
ほかのママは「地域のママ友と知り合えるのも大きい。特に、初めての子育てでわからないことだらけなので、同じくらいの月齢の子を持つママにいろいろと聞けるのは安心感にもつながります」と、会の魅力について話しました。
サークルに参加したきっかけは、公民館で坂本さんの講座を受けた人や、インターネットでサークルの存在を知った人など、さまざまです。
情報交換で話がはずむ
ご飯を食べ終えたあとは、お茶を飲みながら助産所のスタッフとママたちで歓談。この日は、1週間に前に東久留米市に引っ越して来たばかりという女性に、周りのママたちが地域のおすすめの飲食店などを教えてあげていました。
印象的なのは、その様子を微笑みながら見つめる助産師の坂本さんの笑顔。
「へそっこサークルのコンセプトは『へその緒』。へその緒って、妊娠中は赤ちゃんの身体に栄養を送る大事なものですけど、出産後には必要がなくなって、ぽろっと取れますよね。このサークルも、ずっと必要な場所ではなくとも、生まれて間もない赤ちゃんと過ごすママにとって大切な場所になれればと思っています」
助産所内にはおもちゃや絵本がたくさん。
子ども用のベッドも複数台あります。
<サークル情報>
へそっこサークル(さかもと助産所)
イベント毎に参加費が必要。「みんなDE*ランチ」は2000円。
参加を希望する方は、公式サイトのお問い合わせフォームもしくは電話にて申し込みを。
◎公式ホームページ http://www.cam.hi-ho.ne.jp/sakamoto_miyuki/index.html
◎Facebook https://www.facebook.com/さかもと助産所-438983732853080/
◎042-471-0388
◎東久留米市小山5-1-35