雑感と4ページの件

2024年10月2日

タウン抄

「タウン通信」発行人・谷 隆一コラム 

 

前号(2024年9月4日発行・516号)の「新米プレゼント」には、過去最高レベルのご応募をいただいた。「良い企画だ!」とお褒めくださった方もいたが、米不足と重なったのはたまたまのこと。中には「半月もお米を食べていない」「災害用の備蓄米を食べている」と書かれている方もいて気持ちが揺らいだが、そこは厳正に抽選させていただいた。

話はうって変わって、1面掲載の難病のソプラノ・坂井田真実子さんのこと。プレコンサートにお誘いいただき訪ねたが、歌声を聴いてびっくりした。病気などまるで感じさせない伸びやかで豊かな声量。まさしくそれはプロの技で、難病の先入観を持った自分を恥じた。

実は坂井田さんとは15年ぶりの再会。2009年9月の本紙「この町この人」で紹介させていただいたことがあり、その一行目を「二期会会員で将来を嘱望されるソプラノ歌手」と書いた。当時、坂井田さんは20代で、自信に溢れ、美しく、まぶしかった(気さくな方でもあった)。

坂井田さんの歌を聴きながら、当時を思い出さずにいられなかった。この日のラストに坂井田さんは、荒川静香さんが踊ったことでも有名な「you raise me up」を歌ったのだが、思いがこもっていて素晴らしかった。「記者は常に冷静であれ」と教えられてきたが、不覚にも落涙しそうになった。ぜひこの地域から、坂井田さんたちの活動を盛り立ててほしい。

さて、最後に、今号について触れねばなるまい。

「あれ、薄いな」と思った方は少なくないはず。実は今月から、月2回発行とすることにした。

ただし、月中旬の発行は新聞折込で行う。新聞購読者減少に対応してポスティング配布に切り替えた本紙だが、「何とか新聞で続けてくれ!」という熱烈な声が少なからずあり、「お役に立てるなら」と折衷案を選択した。

新聞を購読されていない方は、ぜひウェブ版でチェックを。情報更新はX(旧ツイッター)などでも行っています。

[編集部注] 地域紙タウン通信は2024年3月からポスティング配布してきましたが、2024年10月以降は、第1水曜日にポスティング配布・第3水曜日に新聞折込で、月2回発行をして参ります。

 

谷 隆一

地域紙「タウン通信」発行人。著書に『議会は踊る、されど進む〜民主主義の崩壊と再生』(ころから)、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『起業家という生き方』(同、共著)、『スポーツで働く』(同、共著)、『市役所で働く人たち』(同)。商業誌などでも執筆。

 

2024/10/1

雑感と4ページの件

タウン抄 「タウン通信」発行人・谷 隆一コラム    前号(2024年9月4日発行・516号)の「新米プレゼント」には、過去最高レベルのご応募をいただいた。「良い企画だ!」とお褒めくださった方もいたが、米不足と重なったのはたまたまのこと。中には「半月もお米を食べていない」「災害用の備蓄米を食べている」と書かれている方もいて気持ちが揺らいだが、そこは厳正に抽選させていただいた。 話はうって変わって、1面掲載の難病のソプラノ・坂井田真実子さんのこと。プレコンサートにお誘いいただき訪ねたが、歌声を聴い ...

ReadMore

2024/10/2

[タウン抄]旅ゆけば勝浦

タウン抄 「タウン通信」発行人・谷 隆一コラム    この十数年、毎年出掛けている海水浴場が伊豆にあり、今年も7月に出掛けた。が、空いている。 「人出はこれからですかね?」 毎回世話になる海の家のおばちゃんに尋ねると、「いやぁ、海水浴ブームが終わっちゃったみたいで……」とうつむき加減に言う。その方いわく、体に砂が付くのが敬遠され、海離れが起きているのだという。 「最近の人はキレイ好きだから。それに、暑過ぎて『なるべく出掛けないように』なんてアナウンスされるじゃないですか」 と嘆き節が止まらない。 ...

ReadMore

2024/9/4

【タウン抄】オリンピック

タウン抄 「タウン通信」発行人・谷 隆一コラム    また今回も始まった。オリンピックでのイケメン探し。我が家の女たちが競技中継を見ては、「おっ、これはイケメン!」「この子はカワイイ~」と、勝敗そっちのけで騒いでいる。 いや、必ずしも勝敗無視というわけでもない。当然ながらイケメン認定をしたほうに肩入れするわけで、同じ技を決めるのでも、イケメンとそうでない(と認定された)選手とで、反応がまるで違う。イケメンのときは大喝采あるいは落胆なのだが、そうでない場合は「ふうん」と、ほとんど一服の時間と化して ...

ReadMore

2024/8/13

【タウン抄】猫ちゃん

タウン抄 「タウン通信」発行人・谷 隆一コラム    飼い始めてしまった、猫ちゃん。 前に書いたように家族は犬を飼う気でいたのだが、私が承諾せずにぐずぐずしていると、作戦を変えてきた。私は少年期から猫を飼ってきていて、圧倒的に猫派である。知人のもとに数匹が生まれたのが縁となり、この春に茶トラを1匹引き取った。 もともと我家は会話があるほうだとは思うが、猫が来て、さらに賑やかになった。以前、子育てを終えて猫を飼い出した方から「猫ちゃんはいいよ~。夫婦の会話が増えるから」と聞かされてはいたのだが、ま ...

ReadMore

2024/8/13

【タウン抄】郷土愛

タウン抄 「タウン通信」発行人・谷 隆一コラム    4月に本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』。 タイトルと表紙デザインからまったく興味を惹かれなかったが、高2の息子が「国語の先生に薦められた」と面白がっていたので、拝借した。 要は、ちょっと風変りな女の子を描いた作品なのだが、デパートの閉店や地元の祭りが描写されていて、この作品は郷土愛がテーマなのだと感じた。主人公・成瀬の郷土愛が深すぎて面食らう部分もあるが、地域紙を作る身としては好感を抱くことのほうが多かった。 さて、本題。流行では ...

ReadMore

編集部おすすめ

1

二十四節気の寒露、霜降を迎える10月は、暦上では晩秋。20日からは秋の土用に入って、いよいよ季節は冬へと向かっていきます。 このころ、秋晴れの日が2日ほどつづいたら、虫干しのチャンス(湿度55パーセン ...

2

25日㈮~27日㈰の芸術祭で展示 ムサビ生が子ども食堂や地域活動の魅力をまとめた――25日㈮から27日㈰までの武蔵野美術大学の芸術祭で、大学生による「小平子ども食堂レポート」の展示が行われる。「レポー ...

3

国指定難病「視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)」の患者会・NPO法人日本視神経脊髄炎患者会が、10月20日(日)、東久留米市にある自由学園で、「チャリティコンサート 歩むin自由学園」を開く。 ...

Copyright© タウン通信 , 2024 All Rights Reserved.