視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の患者会が主催
国指定難病「視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)」の患者会・NPO法人日本視神経脊髄炎患者会が、10月20日(日)、東久留米市にある自由学園で、「チャリティコンサート 歩むin自由学園」を開く。
それに当たり、同会は9月22日(日)に、東久留米市役所内の市民プラザで、プレコンサートを開いた。
プレコンサートでは、同会理事長で同障害患者でもあるソプラノ歌手の坂井田真実子さんや、10月20日のコンサートにも出演するメゾ・ソプラノ歌手・磯地美樹さんが、ロッシーニ「ダンツァ」、ビゼー「カルメン」などで美声を響かせた。
また、10月20日にも出場する「NMOJ合唱団」が、初お披露目でヘンデルのハレルヤなどを歌った。同合唱団は、坂井田さんの教え子や音楽仲間らで結成している。
イタリアに留学、国際的に活躍するも37歳で突然発症
同会理事長を務める坂井田さんは、国立音楽大学大学院修了後に、ロータリー財団奨学生としてイタリアに渡り、伊セギッツィ国際ソリストコンクール聴衆賞(2位)を受賞するなど国際的に活躍していたが、37歳のときに突然、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)を発症。一時は胸から下が不随の状態にもなった。
NMOSDは自己免疫疾患の一つと考えられている難病で、脳や脊髄、視神経に炎症を繰り返す特徴がある。▼歩行障害を伴う、▼視力障害が生じる、▼しびれや痛みが出る―—など、症状は人によって異なる。患者数は全国に約6500人で、女性が9割を占める。
病気の概念が確率したのが2015年ということもあり、認知度が低い状況があり、2021年に、坂井田さんの呼びかけで同NPO法人が設立された。これまでに、島根県や新潟県でチャリティコンサートを開いてきているが、坂井田さんの地元のこのエリアでの開催は、今回が初。坂井田さんは高等学部(高校)まで自由学園に通っており、結成された同合唱団にも自由学園の関係者が多数参加している。
宮廷歌手も特別出演 コンサートは10/20・自由学園で
なお、10月20日のコンサートには、宮廷歌手の称号を持つソプラノ歌手・クリスティアーネ・カイザーさんも出演する。そのほか、プロ演奏家が多数出演。曲目は有名なアリアやドイツ歌曲ほか。午後2時から、自由学園記念講堂で開催。入場料3000円(学生は1000円、未就学児無料)。
チケット申込はグーグルフォームから。
【取材余話】
坂井田さんとは15年ぶりの再会。初対面のときに持った明るく華やかな印象に、何ら変わりはなかった。が、会場の隅で短くインタビューすると「今も体中が痛く、実は帯状疱疹もできている」とのこと。それでいて伸びやかに歌う姿に心底感嘆した。すぐ横に大型の扇風機があったのだが、「風が当たると、剣山で肌をごりごり削られているような痛みがあるんです」と、車いすで風を避けていく。その体を押して歌い続ける坂井田さんを、ぜひ地域から応援してほしい。(谷)(※コラム「タウン抄」に関連記事)
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