西東京市が2024年度(来月)から、市立小中学校の給食費を無償にする意向を示した。所得制限や子どもの人数の条件なども設けない完全な無償化で、池澤隆史市長は「都の支援にもよるが、一時的にせず継続していきたい」と話している。
同市の給食費無償化は小学校18校(約9100人)、中学校9校(約3800人)が対象で、予算規模は約8億1464万円。予算審議は現在開会中の議会で行われているが、同議会は昨年3月に「学校給食費の無償化を求める決議」を可決していることから、このまま実施となるのは確実視される。
今回の決断に当たっては、まず東京都が2分の1まで給食費補助を行う方針を示したことが大きい。
これに加え、池澤市長は「この3年間借入抑制に努め、市債残高においては約130億円を縮減できた。こうした努力の結果、他の経常的な経費に歳出を向けられるようになった」と行財政改革の効果を口にする。
給食費無償化を巡っては、市内で市民団体ができ、署名運動も行われた。最終的に7115筆を池澤市長に届けた「学校給食費無償化を求める西東京市民の会」代表の松澤晃子さんは、「現状の方式のままの無償化ということで、うれしい。私たちは国立・私立に通う子どもも含めた無償化を求めてきたので手放しには喜べないが、市長自身から『子どもは平等ですから』との発言もあり、子どもの権利への理解が深いことを感じた」と評価する。
池澤市長は就任以来「子どもがど真ん中」を政策に掲げており、「さまざまな子どものための施策を行ってきたが、給食費無償化はその最も大きいもの」と話している。
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