空襲逃れた西武柳沢地区「立野協和会」
祠のおかげで災厄から逃れられている――先月14日㈰、西東京市保谷町3丁目の「三峰講の祠」で、氏神への感謝の集いが行われた。
約70世帯から成る自治会「立野協和会」が戦後すぐから毎年この時期に実施しているもので、今年はコロナ禍中は控えていた飲食も楽しみ、幼児から90歳以上の高齢者までがわいわいと交流した。
この祠は昭和初期に地主が建立したもので、埼玉県秩父市の三峰神社の神を祀っている。以前は当番で秩父までお参りもしたが、現在は毎年お札を送ってもらっている。
地域住民の信仰があつい理由は、不思議とこの地だけ空襲を逃れられたという歴史にある。近隣には中島飛行機武蔵製作所など複数の軍需工場があり、原爆の模擬爆弾投下を含め、多数の空襲があった。
ところが200メートル先で空襲被害があったにもかかわらず、祠の一帯だけは無傷であったという。
「これは祠の神様のおかげ」という声が自然と上がり、以来、毎年住民が集まって感謝の場を持つのが恒例となった。住民の一人は「最近ではコロナの災厄もあったが、この地域で重症化した人はいなかった」と話す。
「地域の守り神に『ありがとう』の気持ちで集まっている。親睦の機会としても重要です」と会長の山﨑直さん。
なお、今年は祠と鳥居の補修も計画している。