185軒を地図に落とし込み
市民の目で地域の民俗などを記録していこうと活動する「小平郷土研究会」が、先ごろ、小冊子「小平の屋号」を発行した。
かつては呼び名として日常的に使われていた屋号を記録したもの。旧家を訪ね歩き、185軒分を収録した。
ゲタヤ、ヤドヤ、チョウチンヤ……
ゲタヤ、ヤドヤ、チョウチンヤ、トウフヤなど職業にちなむ屋号が特に多く、そのほか、オオミヤ、ヤマトヤなど出身地に由来するもの、オカシラ、モトジメなど役割に基づくものなどがある。冊子では、地図と結び付けて紹介しており、往時の小平の姿が見えてくるかのようだ。
屋号が消えつつあることから記録化を急いだとのことで、同会会長の竹内誠一郎さんは「90代の方も多く、最後のタイミングだったと思う。高齢者への訪問が難しい時代で苦労もしたが、今できて良かった」と振り返る。
同会は60年以上続く市民団体で、これまで会で作ってきた聞き書き集なども資料として役だった。冊子は希望者に進呈している。
なお、同会では郷土史に興味のある会員も募集中。詳細は竹内さん(kodaira-takeuchi@jcom.home.ne.jp)へ。
【取材余話】
60年以上続く小平郷土研究会。行政とは違う視点で郷土史を残そうと始まった会で、その初代会長は小川愛次郎さん。小平地域の開拓の祖である小川九郎兵衛の子孫の方。ちなみに、小川九郎兵衛の墓は、青梅街道に面する小川寺にある(小川寺に関する記事はこちら)。(谷)