また今回も始まった。オリンピックでのイケメン探し。我が家の女たちが競技中継を見ては、「おっ、これはイケメン!」「この子はカワイイ~」と、勝敗そっちのけで騒いでいる。
いや、必ずしも勝敗無視というわけでもない。当然ながらイケメン認定をしたほうに肩入れするわけで、同じ技を決めるのでも、イケメンとそうでない(と認定された)選手とで、反応がまるで違う。イケメンのときは大喝采あるいは落胆なのだが、そうでない場合は「ふうん」と、ほとんど一服の時間と化している。
驚いたのは、これがその場のノリとは限らない点だ。あれもいい、これもいい、という感じで、爽やかな選手もいれば、髭面、強面もおり、イケメン認定に基準があるとは思えない。どうせ適当に言っているだろうと斜に構えて見ていたのだが、今回、そうでもなさそうだということが判明した。
柔道競技で、******――と外国人選手の名前が呼ばれたときのことだ。外国人選手同士の試合ということもあり、家族みんなリラックスしていたのだが、突然妻が「ん?」と反応した。「この名前、聞き覚えがある!」
ホントかよ、と思って注視してみると、イタリアあたりのイケメン選手が登場した。
「あ! この選手、前回も出てた! 頑張ってるんだ~」
と急に応援モード。釣られて見ていると、確かに解説で、「前回の東京では~」と紹介されている。そこまで本気でイケメンを探していたとは。恐るべし。
前回大会はまだ娘は小学生だったが、今や中学生になり、その審美眼もリアリティが増している。女たちのイケメン評論を聞いていると、なかなか参考になる。中には途中で「やっぱ違うな」とか「あれ、この人、意外に良くない?」みたいな変化が生じることもあり、必ずしもルックスだけを見ているわけではないというのが分かる。ちなみにこれは男子選手だけにするのではなく、女子選手にも「ステキ」だの「何かイイ~」だのと評論しており、どうやら、雰囲気とか仕草、礼儀、笑顔などを多角的に見ているようだ。
まあ、家庭内で勝手に楽しめば良いことなのだが、人種や国籍に捉われず、黒人でもヒスパニックでも平等にイケメン認定していることには好感が持てる。守備範囲が広すぎる、という気がしないでもないが。
地域紙「タウン通信」発行人。著書に
『議会は踊る、されど進む〜民主主義の崩壊と再生』(ころから)、
『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、
『起業家という生き方』(同、共著)、
『スポーツで働く』(同、共著)、
『市役所で働く人たち』(同)。商業誌などでも執筆。
2024/9/4
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2024/8/13
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2024/8/13
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谷 隆一