【タウン抄】本紙について

2024年5月1日

タウン抄

「タウン通信」発行人・谷 隆一コラム 

 

3月から試行としてポスティングにて本紙を配布しているのだが、予想以上に「初めて見た」という声が多く、説明の必要を感じている。

本紙「タウン通信」は、西東京市・東久留米市・小平市東部・新座市南部で8万部ほどを、これまでは新聞折込で発行してきた。前身の媒体があり、そこから数えると65年超の歴史がある。週刊の時代もあったが、この数年は月2回発行とし、4ページ構成で地域の話題を届けてきた。

これだけの長期にわたって新聞折込を続けてきたため、ポスティングへの切り替えにはかなり迷ったが、より役立つ地域紙の在り方を模索したときに、「ともかくも一度やってみようか」という決断をせざるを得なかった。幸いにして今のところ、「ポスティングしないでくれ」という声は聞こえてこない。

この切り替えの理由は、言うまでもなく、新聞購読者の減少にある。10年ほど前は本紙のことを知らないという人はそう多くなく、「あ、私、新聞を取っていないので……」とややうつむき加減な返答も来たものだった。

それがいつからだろう。「新聞は取ってないですね!」という自然体での回答が普通になった。幾つかのデータから、今、新聞購読者の半数超が60歳以上だと分かっている。30代は10%ほどしかいない。要するに、若い読者が増えず、読者が高齢化しているのである。

新聞折込に頼るなかで、本紙自体の発行部数も減少していったため、一定の発言力を持つには何かしら独自の手を打つ必要があった。ネットで情報発信すればいい、という声もあるが、経験則として、地域情報はお届けしていかないと見てもらえない。一方で、手元に届きさえすれば、自分の住む地域の出来事にはたいていの人が関心を持つものだろう。

僭越ながら、読者に3つほどお願いしたい。

まずは、配布が漏れてもご容赦いただきたい。全戸配布をしているわけではないので、部数が足りず、配布されないケースがある。「毎号届けてほしい」という人は右のQRからご登録いただきたい(電話・ファクスも可)。

次に、立ち入り禁止のマンションでは配布ができないので、できれば管理組合として配布をご承諾いただけるとありがたい。OKの場合はぜひご一報を!

最後に、本紙は広告収入で成り立っている。広告やチラシが多い号もあるが、それも地域情報の一つとして受け取っていただけるとうれしい。そして、できることなら、利用の際に「タウン通信を見て――」と言い添えを。

読者の皆さまの支えを力に、地域で必要とされる情報紙を作って参ります。

(編集部注:このコラムは2024年5月1日発行号に掲載されたものを転載しています)

谷 隆一

地域紙「タウン通信」発行人。著書に『議会は踊る、されど進む〜民主主義の崩壊と再生』(ころから)、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『起業家という生き方』(同、共著)、『スポーツで働く』(同、共著)、『市役所で働く人たち』(同)。商業誌などでも執筆。

 

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