創立者の夢、約70年経て実現
東久留米市にある「自由学園」が先月22日、代々の生徒が育ててきた木を用いて建設した校舎「みらいかん」を初披露しました。
同館は、同校の幼稚園・初等部(=小学校)の学童保育と未就園児のクラスの場となる予定で、同校正門前に新設されました。
共働き家庭増加による保育ニーズと未就園児クラスの参加希望増に対応し、子どもを中心に据えた内容充実を目的に造られたものです。
建物は2階建てで延床面積約356平方メートルの規模になります。
木材の8割は、同校生徒が育てたもの
注目されるのはその建物で、建造物や家具類の木材の約8割に、同校生徒が育ててきたヒノキが使われています。
同校では1950年から埼玉県飯能市で、66年から三重県海山町(現・紀北町)で植林を続けてきており、代々の高等科男子生徒と最高学部(=大学部)学生が毎年手入れをしてきました(三重県は現在は植林終了、また、ネパールなどでの植林活動もしている)。
飯能で最初の活動を始めたときから、同校創立者の一人・羽仁吉一さんは「木を育てるには数十年かかる。この木で将来校舎を建てよう」と生徒に語っていたとのことで、その夢を67年かけて実現したことになります。
同館館長の藤野和子さんは「たくさんの生徒たちの夢と思いが詰まった校舎。天然素材の空間は小さな子どもたちが過ごすにも理想的です。今後は、地域に向けたイベントなどもできれば」と話しています。