ボランティアの手で電車図書館50年

本物の車両  が地域の交流拠点・居場所に

本物の電車車両を利用して開かれる、東村山市の団地内にある地域文庫「くめがわ電車図書館」が開館50周年を迎え、先頃、記念イベントが行われました。ボランティアに支えられる同館は、地域のシンボルとして、交流拠点になっています。

本物の西武鉄道の車両を利用している「くめがわ電車図書館」

地域に根付き、年間利用者4000人

「あれ! ケンちゃんも来てたの!?」

書棚の陰に友達を見つけて、声を上げる幼稚園児。取材で訪ねた先月29日(水)、夕方の「電車図書館」内でそんな一幕が見られました。

同館は、2000年2月まで現役だった西武鉄道の車両を利用して開かれる地域文庫。

同市美住町のURや都営団地に囲まれた広場にあり、ボランティアによって運営されています。開館は水曜と土曜。約5000冊の蔵書を持ち、年間利用者数は4000人を超えています。

 

現在の車両は2代目

団地の中で存在感を放つ黄色い車両ですが、今あるのは2代目です。

初代は、市立図書館ができる前の1967年に設置されています。当初、車両提供の話があった際には「遊び場に」という声も出たそうですが、最終的には、地域の人々の読書の機会を求める意見が勝ったといいます。

子どもたちが集まる図書館の中。中刷りには「50周年」の"広告”が。

 

初代車両が損傷などで撤去された後は、10年ほど、プレハブでの運営の時代もありました。しかし名称は「電車図書館」とし続けたといいます。

地域住民の願いがかなって2代目が来たのは、2001年のこと。ここ数年は、プロの電車関係者も加わる「電車応援団」の協力も得ながら、車両メンテナンスなどをしてきています。

「今は、地域の人たちの交流の場や、子どもたちの居場所としての役割が大きいです。数年前のことですが、大雪の日に外で開館を待ってくれていた親子がいたこともありました」

とボランティア代表の小椋裕子さん。

なお、安定した運営のため、寄付金なども募っています。

詳細は東村山市図書館(042・394・2900)へ。

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