西東京市下保谷にある天神社で、100年ほど野ざらしになっていた小ぶりの狛犬(こまいぬ)が再建された。参道にある現在の狛犬が建てられた際に隅に追いやられていたもので、同神社の氏子たちが「あまりにふびん」と取り組んだもの。
再建に当たって修復していくと、この狛犬は江戸時代・宝暦9年(1759年)作のものと分かった。郷土史に詳しい高橋孝さんによると、都内に残っている狛犬の中でも十指に入る年代物だという。明治時代初期まで菅原道真公を祭っていたという摂社前に修復・再建が完了した8月には、おはらいも行った。
それに前後して、驚くことがもう一つ。周囲の整理に当たり、この摂社の扉を開いたところ、中には加藤清正の物と思われる兜が置かれていた。片方だけ残る吹き返しに蛇の目の家紋があり、清正が使用した物である可能性があるという。兜は名主だった蓮見清左衛門の末裔の蓮見秀俊さんが明治38年に、日露戦争戦勝記念で奉納したことが判明している。社務所に保管されており、通常は非公開。