各市でDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進むなか、小平市が今月下旬から今話題の生成AI「チャットGPT」の試行利用を始める。DXによって何が変わるのか、また、チャットGPTで何ができるのかを、同市を例に追ってみた。
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DXは、情報技術を活用して既存の業務を改善したり、新たなサービスなどを創出すること。自治体においては、行政サービスの向上や業務の効率化などが期待され、デジタル社会の実現に向けて各市で重点的に取り組まれている。
小平市では、昨年1月に推進方針を定め、今年2月には取組事項とロードマップが示されている。掲げられた項目は多岐にわたり、身近なところでは、▼コンビニエンスストア等で各種証明書の交付を可能に、▼公共施設予約システムの対象拡大およびクレジット決済対応、などがある。
こうしたなかで今回試行利用されるチャットGPTは対話型人工知能(AI)と呼ばれるもので、質問に対してまるで人間のように答えてくれる能力を持つ。その能力を活用することで、
▼文章作成・要約・翻訳
▼キャッチコピーの提案
▼企画立案の補助、アイデアの提示
などが効率的に行える可能性がある。具体的な使用場面としては、例えば市民に何かを周知するときにスピーディーな実施を見込めるという。
ただし、虚偽情報が生成されるなどの恐れもあり、運用には慎重さが求められる。市では、まずは使用メンバーを限定し、9月まで(状況によって来年3月まで)を試行期間として、効果と課題とを整理していく予定でいる。なお、個人情報や機密情報の保護などが求められることから、自治体向けのビジネスチャットツールを使用し、個人情報が入力された時には警告が表示される機能などを活用する。
生成AIの活用は全国の自治体で進んでおり、業務効率化の観点から、今後、活用の分野が急速に広まるものと見られている。