指導者「次代の子たちに力を注ぎたい」
年に1度の生徒募集を今年もやります――主に経済的な理由で塾に行けない子への無料での学習支援を続けているNPО法人「稲門寺子屋西東京」(以下、寺子屋)が、3月4日㈯・5日㈰に説明会を開く。ボランティアによる指導に支えられて丸14年。その〝原動力″を取材した。
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「経済格差が広がるなか、それが教育格差になってはいけません。子どもたちの教育機会は平等でなければ。だからこそ私たちは、無料指導にこだわっています」
そう力を込めるのは、ボランティアで学習指導を続けて13年になるという竹森英次さん。これまでさまざまな生徒を見てきたなか、学校の定期テストで60点レベルだった子が高校の数学選抜クラスに合格したり、英語の苦手を克服して上位都立校に入った子などがいたという。
「学習習慣を身につけ、正しい方法で学べば、どの子も伸びます。その成長を見られるのがやりがいですね」
と竹森さんは微笑む。
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「寺子屋」の発足は2009年。西東京市在住の早稲田大学ОBによる「西東京稲門会」有志が立ち上げた。現在、同市の公共施設で、小学5年生から中学3年生に学習指導を行っている。
指導者は完全なボランティア。授業スタイルは1対1か1対2の少人数制で、基礎学力の向上を目的にしている。受験指導は行わないが、学びの面白さに目覚める子は少なくない。
「一生役立つので英検受検を推奨しています。中学生にして2級に受かる子もいますね」
と話すのは、指導歴10年の関口和子さんだ。
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指導者と生徒の人数を合わせる必要性などもあり、募集は年に1度のみ。入会の条件として「経済的理由で塾に行けない」というものがあるが、これは必ずしも低年収・収入減の意味でなく、▼兄弟が多い、▼上の子が私立に進学して学費の負担が大きい、▼介護等の費用が掛かっている――というケースもある。関心があるなら、まずは相談してみると良さそうだ。
「どの指導者も、自分の力を次代の子どもたちに注ぎたいという思いで一致しています。少しでもお子さんの学習の手助けができたら幸いです」
と話すのは、指導歴9年の片山尚美さん。「気軽に説明会に来てください」と呼び掛けている。
説明会を開催
募集の対象は公立校に通う新小5から新中3の児童・生徒。国語、算数・数学、英語のうち2科目まで。
「保護者・生徒 説明会及び面談」は、3月4日㈯、5日㈰に田無総合福祉センターで。両日とも午前9時30分からと10時50分から。なお、各公民館に募集チラシが置かれている。
詳細は理事長・金子さん(☎080・4125・1038)へ。
※編集部注 募集は現在行われていませんが、地域情報として掲載を継続しています。