平櫛田中の回顧談 57年後の刊行 生誕150年に合わせ、学芸員が編集

小平市で最晩年を過ごし、同市名誉市民でもある巨匠彫刻家・平櫛田中の回顧談が、生誕150年の節目に合わせて発行された。1965年(94歳時)に語った、生い立ちから東京美術学校(現・東京藝術大学)で教えていた頃までを振り返ったもので、修業時代の思い出や、大家・岡倉天心や横山大観の知られざるエピソードなどが、多彩に盛り込まれている。

もともとは、出版社による美術家の論集シリーズの一つとして企画されたインタビューだったが、「確認したい」という平櫛田中の手元に原稿がとどまっているうちに平櫛が他界したため、お蔵入りとなっていた。インタビューと原稿のまとめは、東京国立近代美術館次長などを歴任した美術評論家・本間正義さん(故人)が務めていた。

「内容が貴重なので、いつか出版したいと願っていました」

と話すのは、書籍化に向けて原稿を編集した、小平市平櫛田中彫刻美術館学芸員の藤井明さん。これまで研究用に活用していたが、「独占しているような決まりの悪さを感じていた」という。

原稿を編集した学芸員の藤井明さん

 

「話し言葉なので読みやすく、エピソードも満載で面白い。平櫛田中を知らなくても楽しめる一冊です」

と藤井さん。

2420円、中央公論新社。なお、同館では27日まで、特別展「平櫛田中 生誕150年展」を開催中。同館でも同書を販売している。

編集部おすすめ

1

弱者に優しい社会へ、情報共有を 44歳で肺腺がんステージ4と診断され、2人の子どもを育てながら闘病を続ける水戸部ゆうこさん(50)の企画で、23日㈯㈷に小平市中央公民館で、がん関連の情報を広く伝えるオ ...

2

二十四節気の立冬(7日)と小雪(22日)を迎える11月は、いよいよ冬の始まり。 二十四節気とは、1年を24の期間に分け、それぞれ季節的な特徴を表す名称をつけたものです。 すこし前のデータになりますが、 ...

3

11月23日、市民の企画で 参加者募集中 西東京市と周辺市区を舞台に、時間内にできるだけ多くのチェックポイントを回って得点を集めるイベント「西東京シティロゲイン2024」が、11月23日(土)に開かれ ...

4

ワークショップのお披露目、トークセッションも 誰もが生きやすい社会を目指して、主に映像を用いた地域交流イベントやワークショップなどを行っている「にじメディア」が、11月28日(木)から30日(土)まで ...

5

 27階建て大型ビルの工事現場に、市民の思いを 公共施設が入る予定の工事現場の仮囲いに、小平の未来のイメージ画を飾ろう――。 西武国分寺線・拝島線「小川駅」西口前で建設中の再開発ビルを巡り、 ...

Copyright© タウン通信 , 2024 All Rights Reserved.