20年ほど前から雑木林の若返りが取り組まれてきた西東京市の西原自然公園に関し、2度目の萌芽更新の記録などをまとめた冊子「萌芽再更新の経過とナラ枯れ防止の検証」が先頃発行された。活動を中心になって行う「西原自然公園を育成する会」が制作したもの。
萌芽更新はコナラなどを伐採し、その根株から新しい芽を伸ばしていくもので、今回、同会では、一度萌芽更新させた樹齢15年ほどの樹木を再度若返らせる取り組みを行った。
その活動自体にも成果が得られたが、より興味深いのはその過程でナラ枯れ被害に襲われたこと。観察するなかで、樹齢によって被害状況に差が出ることが分かった。
老木のほうが被害に遭いやすいというのはよく言われるが、実際に被害率のデータを取ったところ、コナラの場合、樹齢75~90年=52・9%、樹齢60年~90年=90・9%、樹齢9~14年=13・9%と、最大で77ポイントもの差が出た。
冊子の記録・編集を行った同会の池田干城さんは「ナラ枯れに見舞われたのは不運だったが、樹木を若返らせていたおかげで、最小限の被害で済んだ。やはり樹林の若返りは重要。データでも明らかなので、同種の取り組みのヒントになれば」と話している。
300円で頒布中。
詳しくは同会(☎042・463・5561)へ。