ひばりヶ丘駅そば「ERA LIXIL不動産ショップ・三成産業」の取り組みを例に、不動産からできる地域づくりを追ってきた。
そして、不動産には「福祉」の面でできることが多数あることが分かった。
今回は、その最たる例として、生活保護受給者への住まい提供の実情を見てみたい。
入居拒否の現実
多くの報道がある通り、コロナ禍で収入が激減し、生活保護を受ける人が増えている。家賃を払えず、より安価な物件を探す人も多い。
ところが、そうした生活困窮者が移転先を見つけるのは簡単ではない。生活支援でよく知られるものに生活保護があるが、その受給者の入居を拒む大家さんが少なくないからだ。
トラブルが起こるのではないか? 夜逃げされたら困る、そもそも低額の案件で面倒なだけ――。
そうしたある種の偏見が渦巻いている。
保証会社を用いる
これに対して、「見方を変えれば、確実に支払い能力のある方々です」と話すのは、「ERA LIXIL不動産ショップ・三成産業」の清水二郎さんだ。
「当社では、保証会社の加入契約を条件に、通常と同じ案内をしています。一般的に、受給者の場合の保証額は3万円弱。それで住まいを確保できるなら、受給者・大家さんの双方に良い話のはずです」
そう話す清水さんは、受給者を多く見てきた経験から、社会に警鐘を鳴らす。
「悪いイメージがあるのか、不正受給を疑う方が少なくありません。でも、実際の受給者たちは、『できれば働きたい』と願いながらも、体調不良などで苦しむ方たちばかりです」
そして大家さんに対して、「住宅提供という方向から彼らを支援してほしい」と訴える。
「それでもご不安なら、見守りシステムを導入するなどで安心は得られます。もしお任せいただけるなら、当社で物件管理もいたします。ぜひ、大家さんだからこそできる支援や地域貢献をご検討ください」
なお、同社では空室に悩む大家さんの相談にも乗っている。
【取材協力】
ERA LIXIL不動産ショップ・三成産業
0120-306-997