災害時に行政区を気にしているヒマはない――東久留米市弥生地区の住人約20人が参加し、先月21日、「防災まち歩き」が実施された。
同市の南部市境にある弥生地区は、煙突のように飛び出していて、周囲を小平市に囲まれているという場所。災害時の指定避難場所となっている学区域内の第九小よりも、小平第十一小、小平第六中のほうが近く、さらに、第九小に行くには新青梅街道を越えなければならない。
そうした事情から、「災害時には、小平の小中学校を頼るほうが現実的」の声は以前からあった。
初開催 意識向上、そして共生へ
そこで、「一度歩いてみよう」と企画されたのが今回。当日は「密」を避けるため2コースに分かれ、約40分をかけて周辺を確認した。なお、多くの住人にはなじみはないものの、第十一小、第六中ともに、災害時には弥生地区から避難が可能だ。
今後も継続して防災まち歩きを続けたいという同地区では、防災意識の向上と併せて、コミュニティ醸成も目指す。
「今回のまち歩きでも、初対面で親しくなれた方がいた。地域の人たちが出会う機会を増やせれば」と、弥生を住みよい町にと活動する山口信夫さんは話している。