「弁当併用スクールランチ」方式での中学校給食が実施されている東久留米市で、全員が同じ温かい給食を食べられるように求める署名運動が展開されている。活動約2カ月で3000筆ほどが集まり、12月議会に、アンケート調査などの実施を求める請願も出されている。
スクールランチは、事前注文で、弁当タイプの給食を支給してもらえるもの。献立は主菜1品と副菜3品の日替わりで、牛乳も付く。都の指針に沿って市の栄養士がメニューを作成しており、1食320円。
注文は選択制で、生徒は自宅から弁当を持参することもできる。スクールランチの喫食率は約5割。日にもよるが、半数の生徒が弁当を持参していることになる。
この状況に対して市民から、全員が同じ給食を食べられる方式への転換を求める声が上がっている。9月には、保護者も交えた「東久留米市のあたたかい中学校給食の実現をめざす会」が発足。署名運動では、「ずっと疑問に思っていた」「絶対実現してほしい」など、応援の声が多数寄せられたという。
こうした反応を受け、同会は「この方式を続けているのは都内では他に東村山と国分寺の2市があるだけ。食育が推進されている中、他市区と同じ教育が受けられていないのではないかという疑問もある」と指摘する。
実は同じ訴えはこれまでも議会に請願されてきたが、「財政的に厳しい」「給食センターを作る用地がない」などと退けられてきた。市は、「学校給食法に基づく学校給食として実施している」との見解でいる。
これに対して保護者からは「子ども中心に考えてほしい」の声が上がる。今月末に市長選挙があることもあり、「市政に変化が起これば」と期待を寄せる意見も出ている。