西東京いこいの森公園には、東京都内でも数少ないスケートパークがある。そこでは2009年から、毎月4週目の日曜、インラインスケート初心者教室が開催されている。
例年は小学生を中心に30人近くもの参加者が熱心に練習に取り組むのだが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、1日の開催も叶わないままに年内の中止が決定した。
そんな中、子どもたちは今、11月23日に練馬区で開催される区民大会ローラースケート競技会に向けて再び練習を再開し、気持ちを高めている。
競技大会へのきっかけ
競技大会への参加は2019年から。教室の中で、特に熱心に練習している子どもたちへ参加を募ったことがきっかけだった。
インラインスケートは練習すればするだけ上達し、他の競技と比べて成果が出るのが早いスポーツ。最初は「転ぶ」「立つ」からスタートする子どもたちもメキメキと滑れるようになるので、みんな夢中になるという。この大会は74回目を迎える伝統あるもので、入賞者には表彰状とメダルが贈られる。この経験によって子どもたちの意欲はよりいっそう高まり、目標を持って練習に取り組むようになったそうだ。
8年以上に渡って子どもたちの指導を務める、
西東京いこいの森公園を育てる会スケート部会長の中尾龍彦さんは、今年になってから練習が全くできないことで、子どもたちのモチベーションと体力の低下が心配だったと話す。競技大会自体の開催もわからない状況だったため、子どもたちからも不安の声があがっていた。それだけに、9月に開催が決まったときの喜びはひとしおだったそうだ。
今は大会本番に向けて、事前練習の指導にあたっている。子どもたちがとても熱心に練習する姿に、
「『コロナ禍』で思うようにインラインスケートができない環境でも、必死にインラインとの関係を維持しようとしている子どもたちの素直な思いが伝わってきます」
と中尾さん。
現在、教室の在籍者からは9名のエントリーがある。そのうち4人が初チャレンジであり、大会への関心の高さが伺える。
「コロナ」の影響で人気の兆し
「コロナ」の影響で、インラインスケートはソーシャルディスタンスを取りながら行えるスポーツとして、世界的に注目されているらしい。用具は海外からの輸入品が大半を占めるが、欧米での消費量が高くなったため日本では品薄状態が続いているとか。
中尾さんは指導者であると同時に、競技者としてもインラインスケートに携わっている。きっかけは自身の子どもの付き添いとして教室に参加したことだが、どっぷりと魅力にはまり、今に至っているという。
「成長が実感できることが最大の魅力です。練習した分だけうまくなります。集団競技よりも、自分の力だけで取り組むことが好きな子どもには、特に力を発揮しやすいです。また、親子で楽しめるほか、ダイエットにも効果があるんですよ。メタボで検診指導を受けていた私ですが、インラインのおかげで8キロ減量できました」
と、笑顔でその魅力を教えてくれた。
いこいの森公園スケート広場は、現在はコロナワクチンの接種会場となっているため閉鎖されているが、来年の再開状況によって、初心者教室も新たに募集を開始する予定。
スケート教室の詳細は下記ホームページ参照を。