小平市にキャンパスがある武蔵野美術大学と、同市に技術センターなどを置く(株)ブリヂストンが、共生社会を実現するコミュニティづくりに関しての共同研究を行っています。
地域を特定した「小平市の共生コミュニティ」をテーマにしているのが特徴で、小学校や商店街などとのネットワークを生かして、地域コミュニティのあるべき姿を「デザイン」の観点から探っていきます。
同大学では20年以上前から「産官学プロジェクト」を多彩に実施していますが、「地域共生」をテーマにするのは初とのことです。
現在は、地域の資源を知ったり、当事者目線でものを見るワークショップなどを行っており、具体的に何ができるかは後期に考えていく予定です。
ブリヂストンの社会貢献活動
一方のブリヂストンは、自動車のタイヤ製造で知られる世界規模の企業ですが、創業当初から地域社会とのつながりを重視してきた歴史があるそうです。
現在では、Active and Healthy Lifestyleから取った「AHL」と題した社会貢献活動を展開しており、年齢・性別、障がいなどに関係なく、全ての人々が個性を生かし、互いに認め合いながら参加できる社会づくりを目指しています。
その活動の一つとしては、例えば、車いすテニス体験会などスポーツ分野での交流会を各地で開くなどしています。
また、同市において、プールやテニスコート、カフェテリアなどを有し、多様な人々が交流できる「共生型多目的運動施設」の建設も計画しています。
そのような両者は今春から授業を共にしており、同社が市内に開く「ブリヂストン イノベーション ギャラリー」の見学なども行いました。
「大企業が地域の構成員として関わる新しさ」
担当する同大学の齋藤啓子教授は
「この地域には、同社を退職した方もいれば、同社のスポーツクラブに通う子もいます。
多世代にさまざまな関わりを持つ同社が、地域の構成員として一緒にコミュニティを考えてくれるのは新しいこと。互いの資源やネットワークを共有して、何ができるかを考えていきたいです」
と話しています。
共同研究は来年3月までの1年間の予定です。