不動産からできるまちづくりを考えるこのシリーズ。今回は、シェアハウスへの改築を紹介します。
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人口減少社会で、物件によっては、入居者確保が難しくなっています。
そんななか、空室の目立つアパートや空き家を劇的に蘇らせる驚きの一手があります。
シェアハウスです。
賃料の安さやコミュニティを求める思いなどから、今、若者を中心にシェアハウスは人気となっています。
一方で、特殊な建築が必要なこともあり、その数はニーズを満たすほどは存在していません。
その実態を知るべく、ひばりヶ丘駅近くのシェアハウスを訪ねました。
不揃いな個室が好評
ひばりヶ丘駅北口から徒歩約6分。住宅地の中にとけ込むその物件は、知らなければシェアハウスとは思えません。
元は築50年のアパート。大胆な増改築を行い、キッチンなどの共用部と、11室の個室を造りました。
ユニークなのは、個室が、5.4畳から6.2畳と不揃いなところです。
「従来の発想だと各部屋を同じ仕様・同じ賃料にしますが、あえて個性を持たせ、賃料もばらばらにしました。実は若者には『このほうが自分だけの部屋という感じがする』と好評なのです」
このシェアハウスを企画・管理する「ERA LIXIL不動産ショップ・三成産業」の清水二郎さんはそう話します。
むろん、個室を不揃いにした最大の理由は、リフォームの自由度を増すためです。結果的に、リフォームしやすく、かつデザイン性が支持される好循環が生まれました。
コミュニティを生む
物件活用の面だけでなく、実はシェアハウスには、地域活性化のメリットもあります。
シェアハウスで生まれたコミュニティが、地域に広く派生する傾向があるのだといいます。
前述の清水さんは「シェアハウスから目の前の物件に引っ越した人もいます。仲間のそばで暮らしたい、と。彼らが今後、一緒に子育てし、町を支えていくと思うと、地域の一人として心強いですね」と笑います。
実際、このシェアハウスからは、結婚したカップルも生まれています。
なお、シェアハウスへの増改築は物件の状況が重要なので、気軽に相談するのが良さそうです。
【取材協力】
ERA LIXIL不動産ショップ・三成産業
0120-306-997
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