東久留米市駅西口ロータリーにマンガ「ブラック・ジャック」に登場するキャラクター、ブラック・ジャックとピノコの銅像が建ち、地域の新名所となっています。
原作者の手塚治虫さんは晩年の約10年間を東久留米市で暮らしており、市の成人式に来賓として出席し、新成人にメッセージを送ったこともあります。
そうした縁から今回、市の市制施行50周年記念事業として、手塚作品を活用した地域振興が行われました。銅像は、同市と東久留米市商工会が東京都の「アニメ等コンテンツを活用した誘客促進事業費補助金」を活用して建造しました。
3月10日の除幕式には、手塚さんの長男で、手塚プロダクション取締役でもある手塚眞さんも臨席。新型コロナウイルスの影響で盛大なお披露目はできませんでしたが、並木克巳市長、井田清治商工会長と共に写真撮影などに応じました。
銅像は、ブラック・ジャックと助手・ピノコが並ぶデザインで、サイズ(高さ)はブラック・ジャックが175センチ、ピノコが70センチ。手塚プロダクションがデザイン・制作したもので、市によると“等身大”とのこと。
両拳を握りしめ、正面をぐっと見据えるブラック・ジャックの姿が印象的で、折しもコロナ禍であることから、医療従事者の決意や平穏な日々への希求などを感じさせます。
銅像公開以来、周囲では、スマートフォンを手に写真撮影を楽しむ老若男女の姿が絶え間なく見られます。
その中からは「すごい目立つ! かっこいいね!」「ずいぶんと凛々しいのねぇ」といった声が聞かれていました。
なお、公開開始はもともと2月10日に予定されていましたが、「コロナ」に伴う緊急事態宣言の延長を受け、1カ月ほど先送りされました。
そのため銅像下の石版には、2月10日の日付が刻印されています。
なお、書かれている文言は以下です。
「マンガ家手塚治虫氏は、東久留米市を終の棲家として晩年を暮らしました。
その縁で1983年の成人式に登壇し、『好奇心を持て、面白いと思ったら道草をしてでも首を突っ込め』と新成人に語りかけました。
マンガ『ブラック・ジャック』は、そうした自身の生き方から生み出された作品のひとつです。
東久留米市に所縁のある故手塚治虫氏とその作品を称えここに建立します。
〜2020年、東久留米市市制施行50周年を迎える年に、covid-19が世界に拡大し未曾有の危機に陥りました。そのような時代に希望の象徴としてこの像に思いを込めました。いつかの日常が戻り人々が集う活気ある街を願い。〜」
「ブラック・ジャック」で地域振興
市は今後、「ブラック・ジャック」を通じた地域振興事業を展開していく予定で、銅像に先駆けて、2月末には「ブラック・ジャック」キャラクターのデザインマンホール5枚を市内に設置したばかりです。
市によると、「ブラック・ジャック」のヒット後に手塚さんが東久留米市に居を構えており、同作は市と手塚さんを結んだ作品と考えられるとのことです。
加えて、コロナ禍ということもあり、数ある手塚作品の中から、医療に関係する「ブラック・ジャック」を選んだとのことです。
(※手塚さんの「塚」は旧字です)