西東京市の2021年度予算案は、6月までの3カ月の暫定予算で組まれています。
同市では、任期満了に伴う市長選挙があり、池澤隆史市長は2月18日に就任したばかりです。定例の3月議会までに通年予算を組むのは時間的に難しいことから、次の6月議会までの期間は、人件費・扶助費などの義務的経費を中心にした暫定予算となりました。
ただし、中央図書館・田無公民館の耐震補強工事やオリンピック・パラリンピック関連など、一部の事業については、年度当初からの対応が求められるなどとして、計上されています。
市では、「議会の理解も得ながら、できるだけ早期に本予算を編成したい」としています。
記者発表の様子を動画でダイジェストにしています。
動画(7分29秒)
地域経済振興策は補正予算で予算確保
上記の通り、政策的な事業は当面は着手されない予定ですが、一部例外として、地域経済振興策が打ち出されています。
池澤市長が「選挙で市民に約束したこと」として早々に計画された事業で、その事業費は、2020年度の補正予算で計上し、予算を確保したうえで、来年度に繰り越す予定でいます。
事業の詳細は以下です。
◎キャッシュレスキャンペーン
市内での買い物をキャッシュレスで決済すれば、25%のポイントが還元されるというもの。7月1日から8月31日までの2カ月の実施で、2カ月で最大2万円分のポイントがもらえます。
◎消費喚起応援事業
いわゆるプレミアム付きチケットの販売です。
食事券と買い物券のチケットが予定されており、プレミアム率は40%です。9月〜12月までの実施予定です。
◎エッセンシャルワーカー応援事業
医療や福祉施設、子育て関連、清掃事業などに従事する「エッセンシャルワーカー」に対して、上記の消費喚起応援事業のチケットを無料で配布します。
8月以降に配布を予定しています。
この3事業は、いずれも予定です。詳細は実施時にご確認ください。
尾を引くビラ問題 3月議会に注目が集まる
なお、この記者発表が行われた同日、同市では臨時会が開催されました。
新市長への緊急質問が相次いだこの臨時会では、特に、池澤市長の確認団体が投票日直前に全戸配布した法定ビラに対しての質問が集中。
「逗子の失敗のリベンジは逗子でしてください。」「共産・左翼に市政を渡すな」などと書かれたビラに対して複数の議員が批判的な質問・意見をし、池澤市長が「このようなことは二度としない」「心を傷つけられた方に謝罪したい」などとお詫びする場面が幾度もありました。
ビラ問題はしばらく尾を引きそうで、暫定予算はともかく、補正予算をめぐっては激論も予想されます。
今後の議会が注目されます。