2021年2月7日(日)投開票の西東京市長選挙に向け、小売業者勤務の保谷美智夫さん(62)が立候補を表明しています。
立候補の動機、政策などについて、お話をお聞きしました。
(※編集部注 選挙は終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)
なお、インタビューは動画収録もしています。2分20秒ほどのダイジェストもご覧ください。(インタビュー詳細は以下本文)
動画(2分21秒)
しがらみがないから改革ができる
——立候補の動機を教えてください。
「現在の西東京市は、自民党系の市政だと聞いています。
この市政を続けていくと市の未来が危ぶまれると思って、一念発起しました。
特に大きな問題は財政です。先日、財政課に聞いたところでは、今自由に使えるお金は8000万円くらいだといいます。
20万人超の市でこの状況は、家庭でいうなら貯金がないのと同じ。
有事のときにすぐに使えるお金がないというのはとてもまずいです。早急にその辺を改善したいと思っています。
そうした改革は、しがらみのない私のほうがやりやすい。そんな思いから立候補を決意しました」
政治経験がなくても責務は果たせる
——政治経験は?
「ないです」
——当選された場合、市長の責務を果たせるとお考えですか?
「果たせると思います。
職種は違っても、フットワークには自信があります。
大事なことは、『西東京市の市民の生活を良くする』という気で取り組むことです」
全世代が暮らしやすい街を目指す
——具体的にはどのような市政を行いますか。
「『全世代が暮らしやすい街!!』をテーマに、3つの柱を立てています。
◎子育て支援の充実
◎高齢社会に対応する医療と在宅医療の推進
◎地方改革
の3つです。
『子育て支援の充実』では、待機児童問題の解消、困ったときに気軽に相談できる『なんでも相談窓口』などや、入園・入学・進級時の祝金を考えています。
子育て支援は非常に重要です。
また、高齢社会への対応については、医療費援助、地域包括支援センターの体制強化などを考えています。
高齢者に限らない福祉政策となりますが、個人的に、町のバリアフリーをもっと推進しないといけないと感じています。
私は事故で4年1カ月休職し、長い期間、松葉杖で暮らした経験があるのですが、そのとき、町中の段差や傾斜の多さを知り、いかに不親切なまちづくりがされているのかを実感しました。
それは車いすなどで移動する方にも大きな負担となっています。
当事者目線で変えていきたいと思っています。
地方改革については、まずは財政の問題。
そして、市の懸案事項である庁舎問題に着手したいと思っています。
庁舎の統合計画は白紙にし、保谷庁舎の周囲にスポーツセンターや文化ホール(こもれびホール)があることを活かして、商業・工業・流通の拠点をうまく作っていきたいです。
これまでのまちづくりは、率直にいって下手だと思います。場当たり的に単発で行ってきた印象です。
例えば、スポーツセンター、こもれびホールの周囲に商業拠点を作り、保谷庁舎跡をうまく活かして住居スペースも設ければ、自然に人が集まる場を生み出すことができます。
そういうふうに、先を見て、末代に残せるまちづくりをしなければいけません」
無党派層からの支持を集めたい
——志の高さは分かりましたが、現実の選挙では、政党等のサポートを受けないご予定です。対立候補たちの選挙体制に比べてかなり厳しい実情があると思いますが、勝算はおありですか。
「前回の市長選挙の投票率は32.9%です。あまりにも低い数値ですが、逆に言うと、それだけ無党派層がいるということです。
その人たちに訴えかけたいと思っています。
政党のサポートを受けて、しがらみの中で政治をしていても、市政は良くなりません」
——とはいえ、今回の選挙は緊急事態宣言中でもあり、投票率が急に上がるとは思えません。どうやって無党派層を動かしますか?
「いわゆるドブ板選挙をやるしかありません。
はっきり言って、私には手伝ってくれるスタッフがほとんどいません。自分一人で選挙を戦うという状況です。
告示日の1月31日は、一人で200カ所以上の選挙ポスター掲示板を回り、ポスター貼りで1日が終わってしまうだろうと思っています。
それでも立候補するのは、『変えたい』という思いが強いからです。急には良くはならないかもしれないけれど、『変える』という方向に舵を切っていかないと」
——冒頭で保谷さんは、「自民党系の政治を変えたい」とおっしゃいました。しかし、保谷さんが立候補することで、野党側の票が割れるという声があります。結果的に、自民党系が有利になるという見立てがあるわけですが、どうお考えですか。
「それはそれでいいのではないでしょうか。
そうした選挙戦略には、私はノータッチです。
自民党系を有利にするために私が立候補したという誤解があるとするなら、それは、『保谷』という私の名前が原因となっているかもしれません。
しかし、先に断っておきますが、私は土地の者ではありません。
両親が住んでいたのは中野区で、私は生まれてすぐに、神奈川県藤沢市のほうに移りました。その後、幼稚園の頃に小平市鈴木町に転居し、中学校を出るか出ないかという頃に、西東京市に移転してきています。以来、ずっと西東京市です。
土地の人の名前として『保谷』姓があるというのは私も知っていますが、そもそも私の名前の読み方は『ほや』です。この土地の方の『ほうや』ではありません。
私は純粋に、町を変えたいという一心で立候補しています」
顔を覚えてもらい、対話しながら市政を変える
——最後に、政治信条をお聞かせください。
「長く会社勤めをしてきたので、その立場から言うと、会社員で社長の顔を知らないというのはあり得ません。
市政も同じで、市長の顔が見えることが大事。
小さい子から年配者までみなさんに顔を覚えてもらって、話のキャッチボールができるまでになって、それで町を良くしたい、と思っています」
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保谷さんは1958年生まれ。高校生頃から西東京市に暮らしています。アルバイト、パートを経て、1980年に現・合同会社西友に入社。現在も在籍中です。
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同市長選挙には、保谷さんのほか、前副市長の池澤隆史さん、前神奈川県逗子市長の平井竜一さんも立候補を表明しています。
◎池澤隆史さん出馬会見
◎平井竜一さんインタビュー
告示は1月31日。投票日は2月7日(日)で、午前7時から午後8時まで。
期日前投票は以下の2段階に分かれています。
◎2月1日(月)~6日(土) 「市役所田無庁舎 2階会議室」「エコプラザ西東京 多目的スペース」
◎2月4日(木)~6日(土) 上記2か所+ひばりが丘図書館 講座室
いずれも午前8時30分から午後8時まで。
(※編集部注 選挙は終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)
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