年末恒例のこの企画。
「タウン通信」が報じた「地域の2020年」を振り返ります。
今年はとにかくもう、コロナに揺れた年でした。
年明けはオリンピックムード
今年は、「東京2020オリンピック・パラリンピック」への期待感があるなかで幕開けしました。
タウン通信が紹介したのは、小平市役所に務める「地元の公務員ランナー」・大橋秀星さん。
自己新記録の2時間17分25秒を記録したばかりの大橋さんからは、「オリンピックに刺激されて、自分も走りたい!という方も出てくるはず。そうした方をサポートしていければ」といったコメントをいただいていました。
国際大会といえば、「健康マージャン」の世界大会「世界ウェルネスマージャン大会」の初代チャンピオンに、東久留米で「いきいき健康マージャンクラブ」を主宰する佐川正高さんが輝いたとお知らせしたのも1月のこと。
ちなみに、この世界大会は中国で開かれたもの。この頃は、まさか中国から未知のウイルスが拡散し出しているとは思いもしませんでした。
春から公共施設が休館 イベントも軒並み中止に
雲行きが怪しくなったのは2月下旬。
急転直下というべきスピードで、公共施設や学校などが臨時休館(休校)に。イベント関係も軒並み中止になりました。
ちなみにタウン通信では、多摩六都科学館が毎年3月に開く「市民感謝デー」の広告をいただいていましたが、掲載はしたものの、イベントは直前で中止になっています。
広告掲載直後にイベント休止が決まるというほどの、実に2、3日のうちに状況が変わる急変ぶりでした。
日本中に衝撃を与えた志村けんさんの死
3月、「コロナ」の重大さを全国民に知らせる衝撃的な事件が起きます。
東村山市出身のコメディアン・志村けんさんの逝去です。
志村さんは、オリンピックの聖火ランナーとして東村山市を走る予定だったこともあり、オリンピック・パラリンピックが延期された年を象徴するような訃報となりました。
その後、志村さんは、東村山市名誉市民に選定されます(6月)。
さらに、有志市民の発案で、東村山駅前に志村けんさんの銅像を作ろうという呼びかけが行われ、クラウドファンディングで実施した資金集めは、目標額を上回る2721万2905円(支援者は6578人)に達して終了しました。
順調にいけば、来年7月頃には駅前に銅像が建つ見込みです。
下宅部遺跡の遺物が国の重要文化財に
そんな東村山市では、うれしいニュースもありました。
市内にある下宅部遺跡の出土品392点が、国の重要文化財に指定されたのです。
発表されたのは3月。正式に指定されたのは、9月30日のことです。
下宅部遺跡は埋蔵物の保存状態が良く、特に、漆関連の出土品は、当時の技術や生活様式を伝えるものとして以前から高く評価されていました。
その記念として秋には、出土品の一部を常設展示する「八国山たいけんの里」および「ふるさと歴史館」で特別展が開かれました。
急速に広まるテイクアウトとオンライン
今年、急速に広まったのは飲食メニューのテイクアウトと、Zoomなどを利用したオンラインコミュニケーション、YouTubeなどを活用した動画配信です。
小平市ルネこだいらでは、東京吹奏楽団、ジェイコム(J:COM)東京と協力し、中学・高校の休校で練習ができない吹奏楽団の部員たちに向けて、全日本吹奏楽コンクール課題曲の模範演奏を録画配信。
こうした取り組みが皮切りとなり、イベントやメッセージ等の動画配信は、一気に広まりました。
その後、行政の計画等の説明、パブリックコメントなどにも、動画が用いられるようになってきています。
オンラインを利用したイベントも一般化し、タウン通信では、能力開発を行うスズキ・メソードやヒッポファミリークラブの発表の事例を紹介するなどしました。
飲食メニューのテイクアウトに関しては、全国的に「#エールめし」が広まりました。
テイクアウトしたメニューを写真に撮り、#エールめし、などのハッシュタグをつけてSNSで情報共有するもので、北多摩エリアでは、西東京市、東村山市、東久留米市、清瀬市で実施されました。
◎#東村山エール飯
◎エール飯から2カ月、いま地域の飲食店は――
そんななか、小平市では独自に、「こだいらフード応援プロジェクト」が始動。独自にデリバリーを行う企画で、この機会に地域をさらにつなごうという意欲が見える取り組みでした。
◎こだいらフード応援プロジェクト
このような飲食店を支援する取り組みは、その後も各市で見られ、特に夏以降は、小売店も対象に含めた、プレミアム付き商品券などの企画が行政主導で行われました。
女子高生がマスク2万枚を市に寄付
今年の春のトピックで忘れられないものの一つに“アベノマスク”がありますが、振り返れば今年の春は、どこもマスクが品切れという状況がありました。
そんななかで、西東京市で人々を驚かせたのが、市内の女子高生が市に2万枚のマスクを寄付したというニュース。
2万枚という数もさることながら、それが医療用のサージカルマスクだったのも驚きでした。
女子高生が「私一人でできたことではない」と匿名を貫いたのも、爽やかな印象を残しました。
大ブレイクの清瀬市役所産「はちみつチーズジェラート」
「コロナ」が少し落ち着いた夏には、幾つか明るいニュースがありました。
8月には、東久留米市でJA東京みらいの「みらい東久留米新鮮館」が移転リニューアル。売り場も広くなり、より利用しやすくなりました。
9月にビッグヒットとなったのは、株式会社高島屋のプライベートブランド「ジェラテリア・パンチェーラ」と清瀬市がコラボして開発した「HONEY CHEESE GELATO(はちみつチーズジェラート)」。
清瀬市・東久留米市のセブンイレブンでも限定販売したところ、予定数がなんと初日で完売。追加で緊急入荷したものの、結局、3120個が6日で売り切れるという人気・注目ぶりでした。
清瀬市は、市役所屋上で養蜂を行っており、そのユニークさに注目した高島屋からの提案で実現した企画でした。
◎清瀬市役所産のはちみつを使用した高級ジェラートが期間限定販売
◎はちみつチーズジェラート、3120個が6日で完売
東久留米市、清瀬市は市制施行50周年
ちなみに、上記の「はちみつチーズジェラート」は、清瀬市の市制施行50周年を記念した事業でもありました。
清瀬市と東久留米市は、今年10月1日が市制施行50周年。
両市とも記念イベントなどさまざまな企画を用意していましたが、「コロナ」のため、記念事業は大幅に縮小。本来なら、オリンピック・パラリンピックの余韻のなかで50周年を迎えるはずでしたが、祝賀ムードの乏しい節目となってしまいました。
そんななかでも東久留米市では、市にゆかりのある漫画家・手塚治虫さんの作品の中から、「ブラック・ジャック」の登場キャラクターの銅像を、東久留米駅前に建てる計画をしています。
こちらは、来年2月に完成の予定です。
蛇足ながら、50周年といえば、ひばりヶ丘駅南口前から田無方面に向けて広がる「谷戸商業協同組合」も、今年50周年を迎えました。やはり式典は行わず、記念誌を発行。
その記念誌は、「タウン通信」が編集・制作させていただきました。
2021年はどんな年に?
11月以降、再び「コロナ」が拡大しているのはご承知の通り。とにかく今年は、「コロナ」「コロナ」の年でした。
さて、来年はどんな年になるのでしょうか。
1月は西東京市が合併してから20周年となりますが、こちらはやはり、記念式典などは中止。
3月は、東日本大震災から10周年となりますが、こちらのイベントなども気になります。
そして何と言ってもオリンピック・パラリンピック。今のところ実施の方向で動いているようですが、本当にできるのかどうか……。
なお、2021年は選挙の年にもなりそうです。
西東京市では2月7日、小平市では4月4日に、市長選挙が予定されています。
また、7月には都議会議員選挙も実施。
10月に任期満了が来るため、衆議院選挙もどこかのタイミングで行われます。
「コロナ」の感染状況は選挙(投票率)にも影響することでしょう。一日も早く、ノーマルな日々が戻ってくることを祈ります。
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タウン通信では、来年も、地道に、真面目に、地域ニュースをお届けしていきます。引き続き、ご愛読いただけましたら幸甚です。
皆様、どうぞ良いお年を。