任期満了に伴う西東京市長選挙が2021(令和3)年2月7日(日)に実施されるのに向け、このほど、池澤隆史前副市長が立候補を表明しました。
(※編集部注 選挙は終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)
現職の丸山浩一市長は正式に立候補見送りを発表。後継者として、池澤前副市長を正式に指名しました。
記者会見の様子を動画に収めています。特に、「コロナ」対策、庁舎統合問題、市政運営について、の部分を抜粋しました。
動画(4分27秒)
記者会見は丸山市長の出馬見送り表明からスタート
池澤前副市長の出馬表明の記者会見は、2020年12月18日、丸山浩一市長同席のもとで行われました。
会見は、まず丸山市長が正式に3期目の出馬見送りを発表することからスタート。理由として体長不良が発表されましたが、後に記者の質問を受けて答えたところでは、現状で疾患があるということではなく、今後4年間を務めることへの体調不安というニュアンスでした。
丸山市長は
「2月11日までの任期は全力でやります」
と語りつつ、後継者として、「行政経験が豊富な池澤氏に任せたい」と明言しました。
池澤前副市長は、丸山市長が市長に初就任した2013年から副市長を務めており、この8年間、タッグを組んできています。
池澤氏「健康応援都市」「子どもにやさしいまちづくり」
後継者指名を受けて挨拶に立った池澤前副市長は、まず、「丸山市長が取り組んできた『健康応援都市』『子どもにやさしいまちづくり』を引き継ぎ、さらに進めていきたい」と基本姿勢を語りました。
続いて、具体的な政策について幾つか触れました。
以下、語った順にお伝えします。特に印象的なところでは、市庁舎統合方針の見直しがありました。
コロナ対策 「全市民にワクチン接種」
「今やるべき政策」として、最初に語ったのは、新型コロナウイルス感染症対策です。
池澤前副市長は「2つの視点が必要」とし、
◎市民の命と健康を守る
◎市民生活、市内経済を元に戻す
を挙げました。
そして、「現市政では約250億円の補正予算を組み、国、都ではできないきめ細かな支援、対策を取ってきた」と実績を口にしたうえで、今後、さらに必要な措置を取ると明言しました。
さらに、「対策は次のステージに移っている」とし、「全市民へのワクチン接種」と力強く語りました。
子どもにやさしいまちづくり 「教育環境を整える」
次に、子育てについて言及しました。
2年前に策定した「子ども条例」を引き合いに、「すべての子どもが健やかに育つ」ための体制を整えることなどを打ち出し、「相談体制を整備する」「待機児童ゼロを目指す」などと話しました。
特に、「教育環境」について踏み込み、公立小中学校の8割が築40年超という実情に触れ、「いまやるべきことは子どもたちの教育環境の整備。ここに力をいれていくべき」と発言。
同時に、ソフト面の充実として「ギガスクール構想」に触れ、児童・生徒全員にタブレット端末を配布し教育環境を向上させていくことを語りました。
健康応援都市 「市民が優先してサービスを受けられるように」
健康応援都市に関しては、特に高齢者について触れ、団塊世代が75歳以上になる2025年を目処に「地域包括ケアシステム」の整備を進める、と話しました。
その中では、地域密着型サービスを整備し、「市民が優先的にサービスを受けられる体制を作りたい」とのことです。
同時に、元気な高齢者が活躍できる場の確保にも努めたいと話しました。
安心、安全で快適な町 「道路整備も進める」
都市基盤に関しては、田無駅南口の開発や東伏見エリアの連続立体交差事業(踏切の立体化)などを例に、都市計画道路等の整備を進めていくことも明言。
同時に、高架化に伴って利用できるエリアをどうするかなどは市民と話し合ってにぎわい創出に努めたい、と話しました。
グランドデザイン 「庁舎統合は一旦立ち止まる」
市政は基本的に最上位計画である「総合計画」にそって行われますが、その第三次が2024(令和6)年からスタートすることになります。
池澤前副市長はそれに向けた計画作りが来年度から始まることに触れ、その策定に合わせて「都市計画マスタープラン」の策定も始めると発言しました。
そして、それに当たって「町のグランドデザインを市民と話し合いながら決めていきたい」と語りました。
さらに、長く市の懸案事項となっている「庁舎統合」について触れ、以下のように発言しました。
「将来的に統合は必要ですが、今この時期にやるべきことなのかは考え直したい。コロナ禍のなか、先行きが不透明です。また、デジタル化が進むなかで、20年、30年先まで見たときに、本当に大きな庁舎が必要かどうかという議論もあります。
副市長として、2016(平成28)年の『庁舎統合方針』に関わりましたが、これをもう一度見直し、機能、規模、スケジュールを整理したいと考えています」
「行財政」に関わってきた実績を強調
池澤前副市長は、このように政策を個別に語った後、まとめとして、自身の実務経験を強調しました。
池澤前副市長は、1982(昭和53)年に旧保谷市職員となり、以降、12月16日に副市長を辞任するまで、39年にわたって西東京市政に携わってきています。
その間、財政課にのべ8年所属(係長・課長職/課の名称は異なる)。また、田無市・保谷市合併協議会事務局副主幹を務めるなどしており、それらの経験から、以下のように語りました。
「さまざまな施策が実現できるのは、市民の貴重な財源があってこそ。しっかりした行財政基盤を築かなければなりません。
市役所勤務の中で企画財政に長く関わってきたので、その経験を生かして市政運営をしたい。
また、合併協議会事務局職員として新市建設計画にも携わり、その最後の4年間は財政課長として『計画』を最後までやり遂げた気持ちも持っています。
2021年1月に20周年を迎える市は、ちょうど二十歳を迎えたところ。
『はたちの町・西東京』を、これからの第三次総合計画でさらに大きくしていきたいです」
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なお、池澤前副市長は、1959(昭和34)年12月生まれの61歳。市内の小中学校、都立保谷高等学校、同志社大学(法学部)を卒業後、1982年に旧保谷市役所入庁。2013年から副市長(2020年12月辞任)。
市長選挙には無所属で立候補。現在、自民党、公明党に推薦依頼をしているとのことです。
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【市長選挙に3者が立候補を表明】
1月20日現在、同選挙には、池澤さんのほか、前神奈川県逗子市長の平井竜一さん、大手スーパー社員の保谷美智夫さんが立候補を表明しています。この3者による選挙となりそうです。
(※編集部注 選挙は終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)
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