皆さん、初詣先はどのように決めていますか?
「毎年行き先は決まっている」という人もいれば、「今年はどこに行こうかな?」と毎年探す方もいて、そのスタンスは人それぞれ。
2021年は新型コロナウイルスの影響があり、特に、初詣をどうするか迷っている人が多いようです。
そこで北多摩エリアの地域メディア「タウン通信」では、初詣をどう考えれば良いのかを整理してみました。
少し長くなる原稿なので、今回は目次を用意しています(下記)。気になるところを選んでご参考にしてください!
解説に当たっての基本スタンス
長い解説をする前に、まずは「タウン通信」の基本的なスタンスについてお伝えしておきましょう。
それがないと、「ネット情報を適当にまとめただけでしょ?」なんて思われかねませんから。
ウェブ「タウン通信」をご愛読くださっている方はご存じの通り、「タウン通信」では、毎月、九星気学に基づいた運勢鑑定を掲載してきています。
これは、北多摩エリアにご在住の九星気学研究家で鑑定士の野村徳子先生にご連載いただいているもの。
野村さんは、『よくわかる気学(東洋占星術)入門』『寺院参拝』などの著書が多数ある方で、タウン通信スタッフにも、幾度から気学のレクチャーをしてくださっています。
そんなことから、タウン通信では、野村先生の考え方にそって地域の寺社の情報を発信しています。
また、タウン通信代表の谷隆一は、過去に『出雲神話』(洋泉社ムック)などで神話に関する執筆を行い、出雲大社を含む出雲地域の神社への取材や、学者へのインタビュー経験を持っています。
神様に関する記述は、それらの経験をベースに行っています。
さらに加えると、ここで紹介する地域の寺社にはすべて記者が実際に足を運んでいます。
現地の立て看板など、確かな情報に基づいて記事をまとめています。
(「タウン通信」が参考にしている野村徳子先生の『よくわかる気学(東洋占星術)入門』)
まずは「いちばん近い神社」へGO!
さて、そんな堅苦しい前提はここまでにして、さっそく本題に入りましょう。
まずはどの神社にお参りすべきかというテーマですが、これは実は答えは出ています。
家から最も近い神社です(商売繁盛などを願うなら、会社から最も近い神社になります)。
神社の規模は不問。遠出して初詣に出掛ける方も、「有名な神社で拝んだから良い」とはせず、最寄りの神社でもお参りをしてください。
最も近い神社は、常にあなたを見守ってくださるところです。おろそかにしてはいけません。
「ご縁」も大切に
参拝に関しては、ご縁も重要です。
例えば、帰省先にあった神社、散歩の途中で見かけた神社、前から気になっていた神社、などです。
よく、「お参りは一つの場所でしかしてはいけない」と言う方がいますが、そんなことはありません。
そもそも、ほとんどの神社は、複数の神様を祀っています。境内の中には、摂社・末社も多数。
神様は、「あそこの神様を拝んだのだから、そっちを頼ればいいだろう」なんて心の狭いことは考えたりしません。気になる神社にはどんどん足を運べばいいのです。
——といっても、目に入った神社を片っ端から訪ねていたのでは身が持ちません。
ふっと心が引かれたところ。
そこが、今のあなたにとってご縁のある神社です。
大切にしたい地域の鎮守
「家の近く」「ご縁のあるところ」——と紹介してきましたが、そうはいっても、やっぱり大切にしたいのは地域の鎮守です。
地域にはそれぞれ、その土地を代表する神社があります。
その地域を守ってくださる鎮守ですから、やはりご挨拶をしておきたいところ。また、そこでお金を使って、神社をもり立てていくのも大事な地域貢献です。
ということで、北多摩エリアの鎮守様ですが、代表格では、
◎田無神社(西東京市、リンク)
◎尉殿神社(同)
◎下保谷天神社(同)
◎小平神明宮(小平市、リンク)
◎熊野宮(同、リンク)
◎八坂神社(東村山市、リンク)
◎秋津神社(同)
◎南沢氷川神社(東久留米市、リンク)
◎柳窪天神社(同)
◎日枝神社(清瀬市、リンク)
などがあります。
鎮守のお参りに関しては、できれば市境(場所によっては生活圏)を超えての参拝は避けたほうが良いでしょう(もちろん、前述のようにご縁がある場合は別です)。
(田無神社)
お願いごと別で神社を選ぶ
祈願したいことがはっきりしているなら、それに合わせて初詣先を選ぶのも一つの方法です。
代表的なところでは、何といっても「東伏見稲荷神社」です。
京都の伏見稲荷大社から分霊された東の“伏見稲荷”は、例年、商売繁盛を求める参拝者でにぎわいます。
このほか、受験生なら、学問の神様・菅原道真公が祀られている天神社(下保谷天神社、柳窪天神社)へ。
出会いを求める方なら、オオクニヌシノミコト(大国主命)が祀られている田無神社(西東京市)や清瀬・日枝神社などがお薦めです。
武運(スポーツ競技、勝負事など)を求めるなら、スサノオノミコト(素戔嗚尊)を祀る八坂神社(東村山市)や各地の氷川神社(南沢氷川神社など)へ。また、八幡宮も武運の神です。
健康祈願、病気回復を願うなら、薬師如来の寺社を訪ねるのもいいでしょう。薬師如来が本尊の寺社は各市にありますが、特に清瀬市には、薬師如来伝説が残る長命寺と円福寺があります。
例えば円福寺の伝説は、目の不自由な琵琶法師が願掛けしたところ目が見えるようになり、喜びのあまり琵琶を置き忘れて立ち去ったというもの。そんな霊験あらたかな寺社で健康祈願するのもお薦めです。
(東伏見稲荷神社)
2021年を占う
さて、ここまでは例年変わらない基本情報ですが、ここで2021年がどんな年になるかを見てみましょう。
ご承知の通り、2021年は丑年(辛丑)です。ゆっくりながらも着実に前進する、というイメージでしょうか。2020年は新型コロナウイルスの影響が各所に多大に出ましたが、始まりの子年のことと受け止めれば、新しい時代がスタートしたのだとも考えられます。
目に見えるところではオンラインコミュニケーションの拡大などがありましたが、2021年は、そうした変化が着実に定着していくことになるのかもしれません。
九星気学で見ると、2021年の本命星は六白金星です。
六白金星はやはり着実さを表します。同時に、六白金星には実りの象意も。2020年のみんなの努力が実を結び、コロナ克服——となれば理想的ですね。
ちなみに、コロナが広まった2020年の七赤金星の象意の一つに、肺、呼吸器、さらに「肺・呼吸器の疾患」があります(=『よくわかる気学(東洋占星術)入門』より)。
加えて、飲食、パーティー、欠陥、不足なども。
ここからすると、コロナ流行で飲食関係が大きな痛手を受けたことも、そうした運気があってのことと受け取れます。
では、2021年の六白金星がどうかというと、やはり胸部疾患、高熱の出る病気の象意は残っています。コロナが急になくなるということはない、といえるでしょう。
ただし、六白金星には「解決」「戦い」などの象意もあるので、少しずつ展望が開けてくるということなのかもしれません。
なお、タウン通信では、2020年12月末に、野村先生が鑑定した2021年の運勢を公開予定です。ぜひ参考になさってみてください。
厄年は…
ところで、こうした全体運とは別で、個別に気になるのが厄年です。
2021年の厄年を一覧にしておきましょう。
(以下、生まれ年)
男女共通
本厄:昭和36年、平成30年
前厄:昭和37年、平成31年
後厄:昭和35年、平成29年
男性
本厄:昭和55年(大厄)、平成9年
前厄:昭和56年(大厄)、平成10年
後厄:昭和54年(大厄)、平成8年
女性
本厄:昭和60年、平成元年(大厄)、平成15年
前厄:昭和61年、平成2年(大厄)、平成16年
後厄:昭和59年、昭和63年(大厄)、平成14年、
コロナ時代の初詣
毎年多くの人が出掛ける初詣。人気の神社の長い行列と境内の「密」状態は、いわば新年の風物詩というべきものでした。
が、2021年は、それをのん気に楽しめる雰囲気ではありません。新型コロナウイルスの感染防止が求められるなか、多くの神社が「分散参拝」を呼びかけています。
多くの神社が行っているのは、縁起物(お札等)を12月から配布すること。また、初詣期間を1月末頃までと設定し、三が日や松の内にこだわらない参拝を求めています。
というわけで2021年に限っては、新年早々の参拝を避け、「どうしても行きたい」という人に場を譲るようにしましょう。
では、どうしても新年早々に行きたい人、とは?
例えば、こんな方は出掛けたら良いかもしれません。
●受験生、合格祈願
●人生の転機を迎えている
●たまたま通りがかったら、結構空いていた
1月にこだわる必要がないという本当の話
この章は、いわば箸休めです。軽い気持ちでお読みください。
実を言うとタウン通信では、そもそも1月早々の初詣にこだわる必要がないと考えています。
重要なのはむしろ立春を過ぎてからの参拝だからです。
九星気学について何度か触れてきましたが、九星気学では、今も本命星は旧暦に基づいています。例えば、1月25日生まれの方の本命星は、前年のものとなります。2020年は七赤金星、2021年は六白金星の年なので、2021年1月25日生まれなら、六白金星ではなく七赤金星が本命星ということになります。そして、2021年2月10日生まれなら、節分を超えているので、六白金星が本命星となるわけです。
というように、年を分ける基本はあくまで「節分」です。ですから、旧暦でみればまだ前年に当たる1月に無理に初詣をする必要はなく、むしろ立春(節分の翌日で通常は2月4日頃。2021年は2月3日)に初詣をしてこそ、「迎春」となるわけです。
もちろん、現代は新暦がベース。気持ちの切り替えという意味でも、1月に参拝したいというのはよくわかります。ただ、「三が日中にお参りにいかないといけない!」などと思い込む必要はないということだけは、ご理解いただければと思います。
地元ネタで、御神酒の話
最後に、北多摩エリアらしいトピックを一つ。
お正月に御神酒を用意する方も多いと思いますが、東京の二大神社(明治神宮、神田明神)の御神酒として唯一納められているお酒が東村山市で醸造されています。
醸しているのは豊島屋酒造。お酒は「金婚正宗」。豊島屋酒造では直売所も設けているので、縁起の良いお酒がほしいなら、訪ねてみてはどうでしょうか?