街かど診療室
保谷伊藤眼科・伊藤勇院長のコラム
近視の際の屈折矯正法として、眼鏡は基本的な位置づけになります。
眼鏡さえあれば問題ないという人もいますが、運動時の眼鏡の煩わしさや実際との見え方のギャップが気になる方はコンタクトレンズを選択します。
しかし、コンタクトレンズも日々の手入れが必要であり、コンタクトレンズに対するアレルギーを発症する人もおり、購入のための検査などに時間を割くことも無駄と考える人もいます。
15年ほど前よりLASIK(レーシック)を選択する人が増えてきました。
レーシックとは、角膜の中をレーザーで削り、角膜の形状を変化させて近視を矯正します。しかし、角膜を削るが故にドライアイの発症率は高率となります。また、ぎらつき感や眩しさを感じる方もいます。
当然、コンタクトレンズを目の中に入れることも考えられ、実際に施行されてきましたが、そのコンタクトレンズを起因として緑内障となる可能性があり、虹彩を切開することも行われてきました(フェイキックIOL)。
これらを解消し限りなく合併症を低くしたものが[ICL](Implantable Contact Lens)です。
目の中にコンタクトレンズを挿入するのですが、このコンタクトレンズに絶妙なHole(穴)が開いており、これが眼内コンタクトレンズを起因とする緑内障発作の予防となります。また、生体適合性の高い非常に柔らかい物質で出来ているため、何かあった際には引き抜くだけで良いとうたわれています。
ただし、合併症は0ではありません。ほぼ全員が軽いぎらつき感を覚えますが、気にする人はほとんどおりません。
このICLを最初に知った6年前から非常に興味を覚え、実際に手術している多くの先生方にインタビューしても、全員が良いとの反応からライセンスを取得し、昨年より採用させていただきました。
基本の屈折矯正は眼鏡というスタンスは変わりませんが、コンタクトレンズ、レーシック、フェイキックIOL等よりも合併症の少ないICLは屈折矯正のメインとなる印象です。
プロフィール
伊藤 勇