「コロナ」で苦しむこんなときこそ人とのつながりが大切だ――。
新型コロナウイルスの影響でイベントを開きにくい状況が続くなか、2020年10月、西東京市で「アースデイ ネット」が発足しました。
オンラインなどを活用しながら、とりわけ「文化」の力を生かして、地域の人々をつないでいこうというプロジェクトです。一過性にせず、数年間続けるビジョンを描いています。
西東京市に根付いた「アースデイフェア」をベースに
「アースデイ」は地球環境を考える日として世界的に広がるムーブメントです。
一般的には4月22日に、集会などが世界各所で開かれています。
その西東京市版となる「アースデイフェアin西東京」は、市民主催で、例年5月に西東京いこいの森公園などで開かれてきました。
地域の環境保全団体などが展示やワークショップなどを行うもので、そのスタートは市の合併前の1990年までさかのぼります。
合併後は、緑町の旧東大農場の移転問題などと重なって大きな盛り上がりを見せた時期もあり、昨年までは市の「環境フェスティバル」と同時開催されてきました。
今年も5月に開催が予定されていましたが、春先から始まった新型コロナウイルスの影響で急きょ中止に。
のみならず、「コロナ」の先行きも見通せず、ともするとこのままフェア自体が立ち消えになる恐れも生じたといいます。
「毎年、実行委員が変わり、参加団体を募集して実施するスタイル。今後の見通しが立たないとなると、モチベーションやつながりを保てないという懸念がありました」
実行委員の田中敏久さんは、そう振り返ります。
そんななか、参加者たちのつながりを維持していく手段として検討されたのがオンラインの利用でした。
インターネットを活用して、「環境」などをテーマに定期的な情報発信ができないか――。
そこでキーワードとして挙がってきたのが、「文化の力」でした。
環境保全などのテーマは堅苦しくなりがちですが、音楽や紙芝居、動画などの形で配信すれば、楽しく伝えることも可能になります。それをさまざまな団体から発信しき、多くの市民がアクセスするようになれば、さながらオンライン上での「アースデイフェア」が実践されることにもなります。
「ピンチをチャンスに」の発想で
「地域で続いてきたアースデイフェアですが、『知らない』という市民も少なくありません。
一人でも多くの人に関わっていただくことが最も重要なことです。
今後、リアルなフェアも検討しますが、オンラインを実際のイベントの代用と考えるのではなく、むしろ、さまざまな人とつながれるチャンスと捉えたいと思っています。
また、SDGsの認知向上にも取り組みたいですね」
そう話すのは、発足した「アースデイネット連絡協議会」の代表に就任した川地素睿さんです。
この連絡協議会(略称:アースデイネット)はこれまでの参加団体などが関わるもので、今後、オンライン上の情報発信や動画制作などに取り組んでいく母体となります。
すでに
・音楽(アースデイソング)のミニライブの収録
・創作紙芝居「つながりのはなし~みんなちきゅうでいきているなかま」の制作
・電子紙芝居「オオハシと森」の動画制作
などを行っており、順次、ウェブサイトなどで配信していく予定でいます(「タウン通信」のサイトでも配信予定です)。
また、ネットを使わない人たちに配慮し、先月末には季刊を予定する情報紙「アースデイネット」(A4判、2ページ、150部)の創刊号も発行しました。
元学校教諭でもある田中さんは、この取り組みの意義について、こう話します。
「危機のときに最も憂慮すべきことは孤立です。人はつながりのなかで社会性を持ち、前向きになれる。音楽などの文化は人々をつなぐのに最適です」
詳細は田中さん(t-tanaka20@outlook.jp)へ。
<アースデイネット2020 YouTube Channel>
https://youtube.com/channel/UCgrE0q-RZUOE2FRY0KkmIWw