東村山市の「下宅部遺跡」からの出土品を幅広く紹介する「下宅部遺跡展 縄文人の技」が、同市のふるさと歴史館と、八国山たいけんの里で開かれています。12月6日(日)まで。
下宅部遺跡から出土した土器や石器、木工品は縄文時代の技術や暮らしぶりを現代に伝えるものとして学術的価値が高く、2020年9月30日に、国重要文化財に指定されました。
中でも、漆関係の出土は他所にない大きな発見で、ほぼそのままの状態で発見されたため、それらは当時の漆工技術を知る手がかりとなっています。
(詳細は、インタビュー記事「東村山出土の縄文土器に“漆塗り”の謎」)
漆塗り土器の一例(展示品より)
今回、国重要文化財に指定されたのは、漆工関連遺物203点、土器・土製品43点、石器・石製品119点、木器・木製品27点の、計392点です。
国重要文化財指定を記念する今回の特別展では、これらの指定文化財の資料を中心に、縄文時代の人々の生活の技が高度に発達していたことを紹介します。
なお、今回の展示会場は2カ所に分かれますが、特に「八国山たいけんの里」の近くには、上記の遺物が出土した遺跡公園「下宅部遺跡はっけんのもり」があります。併せて訪ねてみてはいかがでしょうか。
展示説明会や、講演会(有料)も予定されています。詳しくは特別展案内ページご参照を。
国重要重要文化財指定記念特別展「下宅部遺跡展 縄文人の技」
◎10月3日(土)〜12月6日(日)
◎東村山市ふるさと歴史館・東村山市八国山たいけんの里
(両施設は、徒歩5分ほどの距離。なお、特に八国山たいけんの里のすぐ近くに、遺跡公園「下宅部遺跡はっけんのもり」がある)
◎無料
◎月・火・11月4日(水)・11月25日(水)は休館
◎ふるさと歴史館 042-396-3800
◎特別展案内ページ(東村山市ホームページ)
◎ふるさと歴史館(東村山市ホームページ)
◎八国山たいけんの里(東村山市ホームページ)
2020/9/18
東村山出土の縄文土器に“漆塗り”の謎
「縄文期の文明を証明した遺跡を知って」 東村山ふるさと歴史館が、現在、企画展「下宅部(しもやけべ)遺跡展 縄文の漆Ⅱ」を開いています。縄文時代後期に漆の管理や高度な利用がなされていたことを証明する同遺跡。その存在は縄文期のイメージを覆すほどのインパクトを持っています。同館の学芸員・千葉敏朗さんに詳しく聞きました。 (※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています) 縄文人が漆を利用するために植物を管理していた ――まず、下宅部遺跡の概要を教えてください。 「東村山市多摩湖町4丁 ...
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2020/9/3
下宅部遺跡出土品が国の重要文化財に
縄文時代の漆工芸など 392点が指定 東村山市多摩湖町の一帯に広がる「下宅部(しもやけべ)遺跡」からの出土品、392点が、国の重要文化財に指定されることとなりました。2020年3月20日に、文化庁から発表されました。 下宅部遺跡は、縄文時代後期から晩期を中心にした遺跡で、特に、漆関連の遺物で知られています。縄文時代に漆の生産が行われていたことも分かっており、縄文時代の暮らしを研究するうえで重要な遺跡として注目されています。 今回、国の重要文化財に指定されたのは、漆工関連遺物203点、土器・土製品43点、石 ...
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2016/4/6
最先端照明が縄文土器を照らす 東村山市在住の有機EL研究者が寄贈
東村山ふるさと歴史館で2台が稼動 有機EL照明を備えた展示ケース2台が、市在住の技術コンサルタント・當摩照夫さんから贈られました。東村山ふるさと歴史館では現在、市内の下宅部(しもやけべ)遺跡から出土した遺物2点を収め、特別展示を行っています(※編集部注・このときの特別展は終了しています)。 展示物を傷めない 贈られた展示ケースは、有機ELパネル3枚を設置した幅・奥行とも450ミリ、高さ1600ミリのものです。上部は4面が透明で、四方から展示物を鑑賞できる構造になっています。當摩さんも所属する、「有機EL照 ...
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