新型コロナウイルス感染症が流行するなかで、自分たちにも何かできることはないか――。
そんな思いから、小平市立小平第三小学校の5年生の児童たち(114人)が、地域の各所に感謝状を贈っています。
始まりは、春先の休校中のこと。非常事態宣言が出され、「ステイホーム」が叫ばれるなか、「自分たちにも何か社会のためにできることはないだろうか」と児童たちが考えたのがきっかけでした。
「感謝状を作って贈るのはどうだろう?」
そんな相談を受けた木田明男校長が背中を押すと、取り組みは5年生全体に広がりました。これまでに約100枚の感謝状を作り、市役所、新聞社、警察署など各所に贈っています。
感謝状は、A4サイズのケント紙に手書きの文字と学校のキャラクターである「三小(ミコ)ちゃん」などのイラストを添えた手作りのものです。
贈った先から「このような感謝状をもらえるとは!」と逆に感謝の声が寄せられることもあるそうです。
6年生の移動教室実施に感謝
直近では、9月15日、16日に6年生の移動教室が実施されたことに関し、バスを運行した「銀河鉄道」(本社:東村山市)に感謝状を贈りました。
6年生の移動教室(修学旅行)は多くの自治体が中止していますが、同校では「一生に一度の思い出だからなんとしても行かせたい」と実施を模索し、宿舎の「密」を避けるために2泊3日の予定を1泊2日に縮小して実現しました。
110人の児童全員が参加した道中では、密集・密接などを防ぐことに配慮し、移動時のバスでは、こまめな車内消毒や換気が徹底されたといいます。また、バス内のレクリエーションができないため、代わりにバスガイドが観光案内などを精力的にしてくれたそうです。
今回はそうしたことへの感謝状贈呈で、木田校長は「学校からの働きかけではなく、児童たちが自発的に行っていることに価値があると思って、見守っています」と話しています。