「東大農場」と地域で親しまれる「東京大学大学院農学生命科学研究科附属 生態調和農学機構」は、東京大学の農学の研究拠点です。
西武新宿線「田無駅」から徒歩15分ほどのところにあり、都市部にいながら市民が自然を感じられる場として知られています。
祝日を除く火曜日から金曜日までは、公開エリアに限り、散策が可能です。
かつては園内にサイロなどもあり、「北海道のような景色」と親しまれていました。
現在はキャンパスの長期整備中で、2023年春まで、園内のごく一部の公開にとどまっています。
(見学可能エリア)
なお、見学は自由にできますが、研究機関のため、ペット同伴禁止など、細かくルールが決まっています。事前に確認して見学してください。
(見学要領)
観桜会、ハス見本市
この「東大農場」で特に市民に親しまれているのが、春に行われる観桜会と、6月頃のハス見本市です。
観桜会は、桜並木の満開の頃に合わせて日曜日も公開するものです。
一方のハス見本市は、同園が育成する200種類以上の観賞用ハスを一般公開するものです。
同園で育成、品種登録したハスも複数あり、ここでしか見られないコレクションとなっています。
例年、公開日には花好きや写真愛好家でにぎわいます。
農場博物館
東大農場には、かつての乳牛舎を補修して作った「農場博物館」も公開されています。
東京大学が集めてきた農機具などを一般公開するもので、市民ボランティアも関わり運営されています。
なお、こちらは、キャンパス整備のため、現在は休館中です。
(農場博物館の案内)
東大農場と西東京市
東大農場は駒場から移転する形で1935年に現在地に拓かれ、食品安全、環境保全、農林生態系の管理手法、園芸科学などさまざまな研究・教育を行う場として、利用されてきました。
かつては乳牛なども飼育し、「東大牛乳」として販売されたことなどもあります。
最近では緑地としての存在感が高まり、都市部の貴重な緑として市民から親しまれていましたが、2003年に、千葉市への移転が発表され、「田無」は売却が模索されたことがありました。
このとき西東京市民の間で、田無の地での農場存続を願う市民運動が起こり、「東大農場のみどりを残す市民の会」が発足。約4万6000筆の署名を添えて東京大学に直訴するといった運動があり、それらが実って、計画撤回、西東京市に残ることになったという経緯があります。
キャンパス計画で道路が横断
もっとも、キャンパス再編計画の一部は残り、現在、キャンパス整備工事が行われています。
計画では敷地の一部を都道「西東京3・4・9号線」が横断し、都道に面して、総合研究実験等などの建設が予定されているほか、地域連携の強化なども打ち出されています。キャンパス整備は2023年3月までの予定です。
(計画概要)