ウェブサイト上で開催中の「ゆるキャラグランプリ(以下GP)」で、西東京市に突如現れた新星の「キャベッツさん」が大健闘しています。
全国394キャラクターがしのぎを削るなか、投票締切まで約2週間に迫った10日現在、9位につけています。最後の追い上げを応援する意味で、改めてそのキャラクターの謎と魅力に迫りました!
(※編集部注 投票は終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)
特産のキャベツとネコ(キャット)が融合した妖精
キャベッツさんは、西東京市で生産量の多いキャベツと、ネコ(=キャット)が融合した妖精です。歌と踊りが得意で、語尾に「にゃべ」と言うのが口ぐせ。誕生日は野菜にちなんだ8月31日で、永遠のやさい(831歳)だとか。2歳と4歳の芽キャベッツ(子ども)を持つママです。
登場したのは2年ほど前。これまで、「西東京市民祭り」を始め、地域のさまざまなイベントに参加しており、オリジナル曲などを披露しています。
ちなみに、バックバンドは、地元ゆかりの6人で結成する「ミックスベジタブル」。ライブでは、キャベッツさんの後ろで、それぞれの野菜に変身して演奏しています。
歌えるキャラクターという特徴から市外のイベントから声がかかることもあり、キャベッツさんは可能な限り全国各地に出向いています。また、現在は西東京商工会青年部の広報・親善大使としても活動をしています。
そんなキャベッツさんに、自己紹介をお願いしてみました。50秒ほどの動画で、少しだけ歌声も披露してくれています!
動画(49秒)
さて、このように登場以来、みるみる活躍の場を広げたキャベッツさんですが、今年の春からは新型コロナウイルスの影響でイベント参加が軒並みストップしています。今後のイベント参加の見通しも立たないため、現在は、SNSなどに活動の主軸を移しています。
SNSでは、自作の歌の紹介動画のほか、新型コロナウイルスのため経営難に陥っている飲食店の応援を目的に、市内10店舗以上を巡って各店のPR動画を公開するなどしています。
2週間を残し、394キャラ中で9位にランキング
開催中の「ゆるキャラGP」では、自治体公認のゆるキャラも多数参加するなか、9月10日現在で9位と大健闘しています。この投票は1登録で1日1回できることから、キャベッツさんは、「最後の追い上げに力を貸してほしいにゃべ」と、市民の協力を呼びかけています(ゆるキャラGPへはこちらから/2020年の投票は9月25日まで)。
さて、そんなキャベッツさんには、実は密かな野望が……。
「西東京市の魅力をPRすると共に、芽キャベッツ(子ども)を持つママとして、子どもたちと一緒に歌って楽しみたいにゃべ。子どもたちに喜んでもらえるオリジナル曲で、いつか『紅白歌合戦』に出られたら最高にゃべ」
とキャベッツさん。西東京市から、また新たな全国的スターが生まれそうな予感がします。
誕生秘話 その背景には――
ところで、そんなキャベッツさんは、一体どのように生まれたのでしょうか? その誕生についてはベールに包まれています。
今回、インタビューで誕生の経緯を尋ねてみましたが、当人は無言を貫くのみ。頑なに、その素顔を隠し続けました。
そこで周辺を取材したところ、次のような経緯が見えてきました――。
* * *
まず重要な役割を果たしたのは、西東京市が主導する、女性の起業などを支援する「ハンサムママ事業」だったようです。
ハンサムママ事業は、起業の仕方などをセミナーなどで指導していくプログラムです。ただセミナーを開いて終わりではなく、動き出す女性たちを同じ目線でサポートするという、行政主導では珍しい伴走型のスタイルが注目されている取り組みです。
その一つのセミナーでのこと。生後6カ月の子どもを持つママが「ゆるキャラで仕事ができればいいのですけどね〜」と冗談半分に言ったところ、聞いていた参加者たちが「できるんじゃない!?」と大盛り上がり。
新しい夢を見つけたそのママは、地域のママたちと一緒にすべて手作りでキャラクターを作り上げたそうです。
ちなみに、キャラクター設定で先に決まったのは、ネーミング。地域特産品にちなんだキャベツと、その音から連想される「キャット(=ネコ)」の組み合わせによる「キャベッツ」に名前が決まり、そこから、「ニャベ」という口ぐせや、ルックスが作られていったそうです。
その過程では、イラスト制作に不慣れだったため、目が印象的な一本線になるという、結果オーライのハプニングなどもありました。
このようにして生まれ、早々に地域のイベントにも参加していったキャベッツさんですが、このときに一つの課題にぶつかりました。所属がないため、各地のご当地キャライベントなどになかなか参加ができなかったのです。
その状況に手を差し伸べたのが、西東京商工会青年部でした。もとより、キャベッツさんは西東京市特産品のキャベツにちなんでいることもあり、広報・親善大使としてはうってつけのキャラクターです。そこで肩書きを得たことで、信頼もされ、より活動しやすくなりました。
このような誕生の経緯を知る市内の女性は、「一人の女性の思いから生まれたキャラクターですが、多くの人のサポートがあって、活動が続いています。今では、市外のファンもいるそうで、西東京商工会青年部の献血イベントの際などは、遠方から会いに来てくれた方もいたと聞いています」と証言してくれました。
キャベッツさんは、多くの西東京市民の思いが詰まったキャラクターだといえそうです。これからのますますの活躍に、目が離せません!
(※編集部注 投票は終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)