黒ずくめの男へ

2020年1月22日

タウン抄

「タウン通信」代表・谷 隆一コラム  タウン抄 

 

当社の事務所は法務局田無出張所のすぐそばにあり、夕方6時を過ぎると、辺りはすっかり暗くなる。

私は9時過ぎに会社を出ることが多いが、車で路地を出ようとして最近困るのが、道行く人の“黒さ”だ。

事務所の先に丁字路があるのだが、近くにシチズン時計の本社があり、また、田無駅から帰宅してくる人もいて、細い道ながらも結構な人通りがある。ここを車で通るのに、なかなか神経を使う。

とにかく、歩いている人が黒い。特に男性は、黒いコート、黒いバッグ、黒い靴と完全なる黒コーデ。買い物帰りで白いビニール袋でも持っていてくれると判別しやすいが、逆に、スマホを眺めながらうつむいて歩いてくるとホラーの観がある。暗闇に青白い顔が浮かんでいる、あの感じだ。

紺色のスーツは信頼できる印象を与えるそうで、ビジネスパーソンが濃い色の衣服を選ぶのは仕方がないのだろうが(かく言う私も、プロフィールの写真で紺スーツを着用している)、夜間に出歩くときは、どこかワンポイントでも白系のもの、または反射するものを身につけてほしい。これはたぶん多くのドライバーが願っていることだろう。

最近は驚くことに、マスクまで黒を着用する人がいる。ファッションなのだろうし、実際似合う人も見かけるが、でもキミ、暗がりの角から突然黒ずくめで出て来られたらかなり怖いよ。

せめて、夜歩くときは、白マスクに替えてみてはどうだろう? TPOに合わせたそんな「お着替え」もおしゃれだと思うのだけど。

(2020年1月22日号・本紙掲載分から転載)

 

谷 隆一

株式会社タウン通信代表取締役。地域紙「タウン通信」を多摩北部で約10万部発行、ウェブサイトでも地域情報を発信する。著書に『議会は踊る、されど進む〜民主主義の崩壊と再生』(ころから)、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『起業家という生き方』(同、共著)、『スポーツで働く』(同、共著)、『市役所で働く人たち』(同)がある。[/st-mybox]

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