小平市の見どころをピックアップ。
「10選」としましたが、小平市は実は見どころの多い地域。選ぶのに苦労しました。
小平市は「プチ田舎」を標榜し、“都心から最も近い観光地”として地域をアピールしています。市域には11もの駅があり(隣接駅を含む)、交通の便が良いのも魅力です。
「もっと良いところがあるよー」の声も聞こえてきそうですが、編集部視点の10選を以下にご紹介します!
開拓の歴史を今に伝える 「玉川上水・用水路」
10選といいながら、いきなり「玉川上水」と「用水路」の2つの要素を入れてしまいましたが、水つながりということでご容赦を。
玉川上水は羽村から四谷までの約43キロにわたる水路ですが、小平市域には桜並木や川面まで近づける地点(じょうすいこばし付近)などがあり、見どころ豊富です。
上水に沿った遊歩道は、木々が茂り、絶好の散歩道。カフェなども点在するので、休みながら散策を楽しめます。市の西端、西中島橋とじょうすいこばしの間には、「こもれびの足湯」で疲れた足を休めることもできます。
一方の用水路では、最も規模が大きいものとしては野火止用水があり、こちらも樹林の中の散策が可能です。
なお、小平市域には玉川上水から分水した用水路がのべ約50キロにもわたって残されており、町の各所で、用水路を目にできます。
小平市域はかつて「逃げ水の里」といわれたほど水の乏しい地域でしたが、玉川上水が開通し、用水路が引かれたことで新田開発が可能になりました。その歴史からして、玉川上水と用水路は小平市のシンボルともいえるかもしれません。
市民憩いの場 「小金井公園」
小金井公園は、名称こそ「小金井」ですが、全エリアが小金井市にあるわけではありません。小平市、西東京市、武蔵野市のエリアもあり、小平市のエリアには「江戸東京たてもの園」も含まれます。
江戸東京たてもの園は、文化的価値が高い歴史的建造物を保存・展示する博物館で、宮崎駿監督作品「千と千尋の神隠し」に出てくる建物のモデルになったとされる子宝湯や武居三省堂(文具店)等々があることでもよく知られます。 (展示建築物についてはこちら)
小金井公園自体には、このほか、子どもに人気のソリゲレンデやふわふわドーム、バーベキューコーナー、テニスコートなどもあり、いこいの場として親しまれています。
特に春は、花見スポットとして有名。前述の玉川上水沿いの桜並木と合わせ、多摩北部随一の桜を眺められます。
ちなみに、公園前、玉川上水に面する海岸寺の境内には「小金井桜樹碑」があり、名勝小金井桜の由来を記しています。この碑が建立されたのは1810年。200年以上も前から、この地が桜の名所であることを伝えています。
(小金井公園)
市内にいろいろある 「美術館・展示館」
またまた、大雑把なくくりをしてしまいました。
小平市にはさまざまな美術館、展示館があり、とてもではないですが、限られた「10選」の中で個別には紹介できません。
というわけで、「美術館・展示館」と大きなくくりにさせていただきましたが、まずまず紹介したいのは、「小平市平櫛田中彫刻美術館」です。
近代彫刻の巨匠・平櫛田中が最晩年に暮した住まいを公開する美術館で、作家を身近に感じられる空間です。企画展やイベントなども精力的に開かれています。
(記事ページはこちら)
市営のユニーク展示館ということでは、「小平市下水道館」も見逃せません。こちらは日本で唯一、実際の下水道の中に入れるという博物館です(降雨時などは下水道は閉鎖)。
なお、平櫛田中彫刻美術館、下水道館ともに、玉川上水のそばにあるので、散策のついでにふらりと寄ってみてください。
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小平市ふれあい下水道館
玉川上水沿い、小平市中央公園のほど近くにある「小平市ふれあい下水道館」は、国内で唯一、本物の下水道の中に入れることで知られる展示館です。 本物の下水の中に入って、内部を見学できる 建物は ...
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小平市には、民間事業者による展示館も複数あります。新青梅街道沿いで印象的な建物を見せるのは東京ガスによる「GAS MUSEUM がす資料館」。明治時代に導入されたガスは当初、照明(ガス灯)として用いられていたことから、同館では、明治から昭和初期にかけての東京の街並を描いた版画を多数コレクションしています。それらを折々企画展示するほか、ガス器具の変遷などを常設展示しています。
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小平市内にある大企業といえば、ブリジストンを見落としてはいけません。ブリジストンでは、乗り物に関する企画展示などを行う「ブリヂストンTODAY」を開設しています。こちらは現在、リニューアル中。オープンが待たれます。
小平と小金井の両市にまたがる国立研究開発法人「情報通信研究機構」では、ICTやデータ関係の展示を行っています。同機構は、日本の標準時刻を決めていることでも知られる機関。もちろん、標準時刻に関する展示も行われています。
美術・展示のポイントはほかにもありますが、最後に紹介したいのが「武蔵野美術大学 美術館・図書館」。こちらは、ムサビの愛称で地元で親しまれる武蔵野美術大学の鷹の台キャンパス内にある美術館で、誰でも入場が可能です。
企画展が年中多彩に開かれており、地元でさまざまな美術に触れられる絶好の場所になっています。
ついでながら、小平市は大学が多い市で(6つのキャンパスがある)、ムサビと同じ鷹の台駅の近くには津田塾大学もあります。こちらは新5000円札の肖像に決まったことでも知られる津田梅子が創立者。その歩みを追う「津田梅子資料館」は、誰でも見学が可能です。
(記事はこちら)
意外にも散策が愉しい 「都立小平霊園」
小平の見どころというからには、「小平」の名称が付いた場所を訪ねたいものです。
とするなら、都立小平霊園がお勧めポイント。小平駅からも近く、車も園内に停められるので、気軽に訪ねることができます。
「え? 霊園に行くの?」
と不審に思われた方も少なくないことでしょうが、実際に訪ねてみれば、その疑問は溶けるはず。65ヘクタールの広大な敷地内は、整備された道路にそって並木があり、所々にベンチもあって、のんびりと歩けます。著名人のお墓を訪ねてみるのも良いでしょう。
「興味本位でお墓をめぐるなんて」
と、それでも気が進まない方には、霊園の北側に広がる雑木林の散策をお勧めします。この雑木林には「さいかち窪」と呼ばれる湧水地があり、公園と同じ感覚で樹林を歩けます。
なお、さいかち窪は、数年に一度だけ水が湧くという幻の湧水地です。ふだんは雑木林に水気はまったくありませんので、誤解なく。
めったに見られない植物も! 東京都薬用植物園
小平市西端にある東京都薬用植物園は、その名の通り、薬草を中心に栽培・展示している植物園です。
栽培されているのは、ハーブなど約1600種。国内だけでなく、世界の薬草を扱っており、流通を禁止する有毒植物なども紹介しています。
入園は無料。季節ごとに花の見頃が変わるので、折々訪ねてみたい植物園です。
なお、園内には薬事資料館があり、薬に関する資料などが見られます。
サッカーファンなら一度は訪ねたい 「FC東京」小平グランド
東京全体をホームタウンとするサッカーJ1の「FC東京」。ホームスタジアムは府中市にある味の素スタジアムですが、練習場は小平市にあります。
ナイター施設も備えた小平グランドでは、基本的には練習を公開し、練習後にはファンと選手の交流も可能にしています(非公開の場合もあります。練習公開については、FC東京ホームページで公開されています)。
ヨーロッパリーグで活躍する長友佑都選手、武藤嘉紀選手、久保健英選手など、名選手が汗を流してきたこのグラウンド。チームには日本代表選手もおり、トッププレーヤーの練習を間近で見ることができます。
ちなみに、FC東京は地域交流事業にも力を入れており、多摩六都科学館でのイベントや、小学校や商店街への選手たちの訪問などを多彩に行っています。そのため、地域の商店街などでは、FC東京のフラッグが掲げられているところも見られます。
なお、言わずもがなですが、見学や選手との交流はマナー厳守でなさってください。
小平開拓の歴史を偲ぶ 小川寺・小平神明宮・日枝神社
現在の小平市は、江戸時代の新田開発によって拓かれています。その開拓の祖は、小川九郎兵衛。開拓の許可を得た小川九郎兵衛は、早々に村に寺社を建立します。それが、青梅街道に面する小川寺(しょうせんじ)、小平神明宮、日枝神社です。
近接するこの寺社は、まさしく、ここから「小平」が始まったことを示唆しています。その意味では、小平を知るにはぜひ訪ねたい場所です。
開村にちなむ史跡も残されており、小川寺には小川九郎兵衛の墓や、村人の寄進で造立されたという梵鐘が、小平神明宮には250年後の地域の人々が建てたという小川村開拓碑があります。
3社は歩いて数分の距離。近くには歴史を感じさせる「竹内家の大ケヤキ」もあり、ぜひ合わせて歩いてみてください。
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小川寺 (小平市)
小平の歴史を探るときに、外すことができないのが「小川寺」です。 青梅街道に面して堂々たる二天門を見せる小川寺は、地名の元ともなった開拓者・小川九郎兵衛(おがわ・くろべえ)によって開山されています。 — ...
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日枝神社(小平市)
小川寺、小平神明宮といった「小川村」開拓の中心地に並ぶようにして鎮座しているのが、日枝神社です。 やはり、小川村開拓の祖・小川九郎兵衛が、神主・山口大和守求馬と協力して、1858年(万治元年)に江戸麹 ...
まさかの町おこしシンボル 「日本一巨大な丸ポスト」
小平市の市民文化ホール「ルネこだいら」。小平駅南口から徒歩3分程度のこのホールには、思わず二度見せずにいられない建立物があります。日本一大きい丸ポストです。
小平市は市内に丸ポストが37本あり(現役は32本)、これは都内随一の多さ。そうしたことから「丸ポストの町」をうたい、地域活性化につなげています。
そのシンボルとして建てられたのが、ルネこだいら前の丸ポスト。地域を愛する有志が集まって制作したもので、その高さは2.8メートルに達します。
このポスト、ただそこにあるわけではなく、現役で使用されています。投函口は2カ所あり、上の投函口に手が届かない人に向けて、下部にも設置されています。
が、よく見かけるのはなんとか上の投函口から投函しようとする子どもたちの姿。そんなほのぼのした光景が、小平市の新名物になっています。
ここでしか買えない限定品あり 「ブラックサンダー直営店」
チョコレート菓子「ブラックサンダー」で知られる有楽製菓(株)。その本社は小平市にあります。
本社の一角には、直営店「YURAKU CHOCOLATE SHOP」があり、ここでしか買えないというハンドメイドチョコレートの直営店限定品も販売しています。
本社は、前述した東京都薬用植物園のほど近く。小平市にお立ち寄りの際は、おみやげの候補の一つにどうぞ。
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小平発「一目で義理とわかるチョコ」
ハッピーバレンタイーーーン! ……ということで、本日2月14日はバレンタインデーです。世の男性は「もしかしたら、もしかするかも!?」とそわそわするに違いない1日。一方で、女性は義理チョコ・友チョコ・本 ...
小平を取り囲む21キロの遊歩道 「グリーンロード」
小平グリーンロードは、小平市を取り囲むようにぐるりと1周する全長約21キロの遊歩道です。
小平=平らな町、というイメージそのまま、歩きやすい散策路になっており、ロードの途中には、6月に見頃を迎える「あじさい公園」や開拓当時の住まいなどがある「小平ふるさと村」、さらに地域ゆかりの彫刻家・齋藤素嚴の作品の野外展示などがあり、寄り道しながら散策を楽しめます。
実際、このロードは2004年に「美しい日本の歩きたくなる みち 500選」にも選ばれており、春には桜、初夏には新緑、夏にはお祭り、秋には紅葉と、四季折々にさまざまな表情を見せます。
駅に面しているのも好ポイント。疲れたら片道だけで電車で戻ってくるといった歩き方もでき、地元では絶好の散歩道として愛されています。
一日、ゆっくり歩いて過ごすのにもお勧めです。