東久留米駅から徒歩約10分、雑木林を抜けた先にあるのが「聖グレゴリオの家 宗教音楽研究所」です。
国内では珍しい、宗教音楽をメインにした音楽研究所で、「祈り」「研究」「教育」を3つの柱に活動を続けています。
今回、特別に内部などを撮影させていただきました。1分30秒ほどの動画にまとめています。動画内のBGMは、「聖グレゴリオの家 宗教音楽研究所」の研究部門の一つとして活動する「カペラ・グレゴリアーナ ファヴォリート」によるグレゴリオ聖歌の合唱です。
1979年に発足
「聖グレゴリオの家」の発足は1979年です。ドイツで教会音楽を学んだ橋本周子所長と、ドイツから布教のために来日していたゲレオン・ゴルドマン神父を中心に作られました。
以来、教会音楽家を育てるための「教育」と並行し、伝統を重視した「祈り」として、日曜日のミサでは、西洋音楽の源泉となったグレゴリオ聖歌を歌っています。イースターやクリスマスなども初代教会の伝統を取り入れて祝っています。
なお、これらのイベントやミサは、誰でも参加可能です。
一般向けにコンサートなども開催
40年の活動の中で地域とのかかわりも深くなり、現在、聖グレゴリオの家では、全館を開放して行うバザーのほか、聖堂でのコンサートなどを精力的に開いています。
聖堂は神聖な雰囲気に包まれており、その空間に響く、正統なスタイルのグレゴリオ聖歌やユルゲン・アーレントオルガンの音色は、心を清らかにしてくれます。
コンサート等の情報は、同会のホームページで随時紹介されています。
ローマ教皇から勲章
40年に及ぶ聖グレゴリオの家の活動は、バチカンにも知られるところとなり、2019年には、橋本周子所長にローマ教皇から大聖グレゴリウス勲章が贈られています。
「宗教音楽を守っている」と評価されたとのことです。
ちょうど聖グレゴリオの家の40周年のタイミングでもあり、慶事が重なることとなりました。
静かなところを求めて…
宗教音楽を学べるところは、日本にわずかしかありません。
そんな状況があるなかで、なぜ聖グレゴリオの家は、交通の便が良いとはいえない東久留米の土地に開かれたのでしょうか?
その理由を橋本所長は「よい環境の静かなところに拠点を構えたいと思っていた」と振り返ります。
たまたま紹介された縁でしたが、偶然にも、元は修道院があったそうです。
近年、南側の土地を新たに広げ、新棟を設けたほか、地域の人もふらりと寄れる中庭を整備するなどしました。
近年は近隣の氷川台自治会とのかかわりも出てきているそうで、東久留米の名所として知名度が広がっています。
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