保谷駅北口からまっすぐ北に延びる通りを行くと、5分ほどで到着するのが「保谷山 福泉寺」です。
福泉寺は、「下保谷村」で信仰された日蓮宗の寺。天正14年(1587年)創建とも伝えられ、「三十番神社」と呼ばれた現・天神社の別当も務めていました。
古刹らしく、境内には題目塔や馬頭観世音などが複数保存されています。
市指定文化財「三十番神神像」
現在、福泉寺は、地域の信仰を伝える「木彫採色三十番神神像」を保存することでも注目されています。
市の指定文化財でもある三十番神神像は、女神を含む33体の神像を納めたもの。江戸時代後期作とみられる木彫で、鮮やかな彩色が特徴です。厨子に納められており、大事にされてきたことがわかります。
この三十番神神像は、もとは、現在の天神社の前身にあたる「三十番神社」で祀られていました。それが福泉寺に移ったのは、明治元年の神仏分離令および法華三十番神禁止によるものです。福泉寺が同神社の別当だったことから、三十番神がここで保管されることとなりました。
地域で篤く信仰されてきた
なお、三十番神は、30柱の神々が1か月を毎日交代で守護するという信仰で、特に中世の日蓮宗で重んじられました。
当地が生んだ民俗学者・高橋文太郎の記録では、明治元年の法華三十番神禁止から70年たった昭和10年に、番神講の御奉謝(おびしゃ)が厳粛に行われていたことを記しています。
それだけ、三十番神が地域で大切にされてきたということが分かります。
郷土史家の案内による動画
下保谷の歴史に詳しい高橋孝さんに、三十番神のことなどご案内いただきました。40秒ほどの動画にまとめています。
動画(44秒)
データ
福泉寺
◎西東京市下保谷3-11-17
◎042-421-5171
◎http://www.city.nishitokyo.lg.jp/enjoy/rekishi_bunka/bunkazai/shishitei/sitei30.html