NHK「となりの子育て」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、テレビ東京「ソレダメ! ~あなたの常識は非常識!?~」など、テレビでもおなじみの理科実験授業のスペシャリスト・松延康さん。
会場を引き込むパフォーマンスが人気で、客席には常に笑いと「おーっ!」という驚きの歓声があふれています。
教育界からの評価も高く、現在は全国の学校や科学館などで年間100回以上の授業を行っています。
そんな多忙な合間をぬって、この春からは仲間とともに大人対象のサイエンスカフェ「大人の夢Juku講座」を国分寺で開講。月1回ペースで、1年の開催を予定しています。
意外にも、実は「文系人間」
今では理科の専門家とみられていますが、実は松延さんは「文系人間」。理科に限らず勉強全般が得意でなく、成績はオール2という頃もあったそうです。
「獣医さんってすてき」という当時の彼女の一言で、文系の身ながら獣医師を目指しましたが、受験はことごとく失敗。4浪ののち、ようやく北里大学に入りました。
その後、「自分でもその思考回路がよくわからない」そうですが、ともあれ、大学に入るなり「将来は教授になろう」と決断。存外に獣医畜産学は肌に合い、好成績で大学院を修了、晴れて短大講師になりました。
紆余曲折の30代
……が、「ひょんなことで」1年で短大を去り、看板職人になることに。
すでに30代で、子持ちの身。
家族を養うことに必死で、その後、ガードマン、国立精神神経センター研究員、さらには、自宅で子どもの学習塾を開いたりもしました。
転機となったのは、子どもが通っていた小平第六小学校での“授業”です。
「おやじの会」の交流で、「松延さん、理系でしょ。学校で理科の実験とかやって見せてよ」の言葉に乗せられ幾つか披露すると、一気に評判に。近隣校からも声がかかるようになり、やがてはメディア出演にまで広がりました。
「農学博士とはいえ、実験授業は専門外。10年前に今の自分を想像することはできませんでした」
と松延さん。
思わぬ世間の評価に戸惑いつつも、一方で、誰よりも自分自身が知る喜びを味わっています。「子どもたちに何を見せようか」と模索する中で、理科実験を見直し、その面白さを改めて感じているのです。
「専門でない分、自分自身が実験を楽しんでいます。その気持ちが子どもたちにストレートに伝わっているのかもしれません」
大人にも、もっと驚きを
知る面白さをもっと多くの人に――。
この春開講した「大人の夢Juku講座」は、そんな思いから企画しました。
「世界は驚きにあふれています。大人ももっと驚きに出会ってほしいですね」
◆まつのぶ・しずか 1957年、小平市生まれ。農学博士。学習塾「夢Juku」(小平市学園東町3の6の14)主宰、理科教育研究フォーラム「夢・サイエンス」代表。テレビ出演多数、テレビ朝日「Qさま!!」など監修多数。著書に『松延康の理科実験ブック』(実務教育出版)。
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「大人の夢Juku講座」は、主に土・日曜日に毎月開催。講師・テーマは毎回替わる。会場はサブリエ(国分寺市南町2の18の3 国分寺マンションB― 6)。要予約、有料。詳しくは夢Juku(info@rika-jikken.jp、TEL042・344・7458)へ。
(※この情報は掲載時時点のものです。講座の有無等は、主催者にご確認ください)