「1店も閉店させない」と一致団結
新型コロナウイルス拡大に伴う外出自粛が続くなか、西武柳沢駅北口に広がる店舗でつくる「柳盛(りゅうせい)会柳沢北口商店街」(以下、柳盛会)が、今日4月27日、全会員92店に5万円の臨時給付金を配布しました。
その給付総額は、年間の総会費の1.5倍にあたる大きさです。
柳盛会会長で、ハンドメイドの皮革製品販売店「クラクフ」を営む橋本直巳さんは
「これまで積み立ててきたものをベースに、先々の商店街運営が赤字にならない最大額を分割しました。先が見えない中ですが、すべての店舗に、ぜひ商業活動を維持していってほしいです」
と思いを口にします。
過半数の店が休業・時短
緊急事態宣言が出されて20日が過ぎ、この間、柳盛会では、92店中、少なくとも20店が休業、37店が時短営業という状況になっています。
そうしたなかで今回の給付は、20日夜に会員から窮状を訴えるメールが届いたのをきっかけに動き出しました。
翌21日に緊急役員会を開催。集合が難しい状況のため回覧板形式での“臨時総会”が実施され、24日に給付が決まりました。
不在で連絡が取れなかった店を除き、意思表示のあった84店すべてが賛成しての採択でした。
「これから国や都からの支援もあると思いますが、大きな組織はどうしても時間がかかってしまいます。その点、商店街ならスピード重視で対応が可能です。『1日も早く給付を』の思いで取り組みました」
と橋本会長は振り返ります。
と同時に、「柳盛会の取り組みが、ほかの商店街にも何かヒントとなれば」と話します。
未来を見て、一律給付
柳盛会には個人店の会員が多く、5万円の給付に対しては「助かります」といった感謝の言葉が寄せられているそうです。
給付は過去の積み立てを崩すことになったことから、在籍期間の長い会員への配慮で「公平性はどうか?」という疑問の声も一部で出たそうですが、最終的には「この難局を乗り切って、終息後にはみんなでまた頑張ろう。未来志向に立ち、入会時期の線引きはしない」との結論になったといいます。
そうしたことから、一律5万円の給付となりました。
給付日となった27日は、朝いちばんで役員が銀行から現金を引き出し、5万円ずつを封筒に入れ、手分けして会員のお店を回りました。
柳盛会では今後も、会員に向けて、補助金等の情報提供などを精力的に行っていくとのことです。