30日から全国で上映 市では企画展など開催
東村山市が舞台の映画「あん」が、30日(土)から公開されます。同映画はドリアン助川さん原作で、出演は樹木希林、永瀬正敏ら。ほぼ全編東村山で撮影されており、美しい映像で描かれる市内の景色は必見です。
ハンセン病元患者を中心にした人間ドラマ
どら焼き店「どら春」の雇われ店長として単調な日々を送っていた千太郎(永瀬正敏)。求人に応募してきた老女、徳江(樹木希林)の作る粒あんは絶品だった。しかし、心ない噂が出始めて……。
どら焼き店を舞台に、ハンセン病元患者とその周辺の人間ドラマを描いた映画「あん」。日本・フランス・ドイツの合作で、カンヌ国際映画祭グランプリなどの受賞歴で世界的に知られる河瀬直美さんの監督作品としても注目されています。
また、重要人物の一人となる女子中学生・ワカナを演じる内田伽羅は樹木希林の実孫であり、その共演も話題を呼んでいます。
多磨全生園への取材を通して生まれた作品
同作が同市で撮影されたのは、原作のドリアン助川さんが取材のために、同市のハンセン病元患者の関連施設「多磨全生園」を何度も訪れていたことが大きな理由です。
同園関連の場所で撮影したいという制作側の意向を受け、同市が協力しました。
ロケ自体は昨年3月から始まり、季節を変えながら、11月下旬まで行われたそうです。
具体的な場所としては、久米川駅南口桜並木付近、くめがわ電車図書館、東村山市中央図書館、多磨全生園などで撮影されました。
「全生園の緑に感動させられた」
同市の渡部尚市長は
「久米川の商店街や桜並木などをきれいに撮ってくださった。全生園の入所者が植えた木は、生命の息吹を感じさせるような力強さがあり、感動させられました」
と話します。
なお、同市では映画公開に合わせ、中央図書館での企画展や映画チラシの全戸配布などを行っています。
映画は、近隣では新所沢レッツシネパーク、イオンシネマむさし村山などで30日から上映予定です。
(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)