今受けている治療の理解に役立てて——。
このほど公立昭和病院(小平市)が、同院の医療内容をまとめた『公立昭和病院の最新の医療 病気と治療のやさしい説明』を出版しました。
治療には患者自身の理解・納得が不可欠なことから、その参考になればと発行したといいます。一病院が単体でその医療内容を本にすることは珍しく、都内では初の取り組みとして注目を集めています。
治療への理解と予防啓発を目的に
同書の発行目的は大きく2つ。
一つは、患者自身が今の治療について理解・納得するために役立ててもらうこと。
もう一つは、病気や予防について市民に広く知ってもらい、その健康寿命をのばしていくことにあります。
そうした観点から同書は、がんや脳梗塞・心筋梗塞といった命に直結するものから、生活習慣病や子どもの発熱への対処など身近にある病気まで、幅広い視野で編集されています。
ジェネリック薬、人間ドック、救急医療、緩和ケアチーム、病院食など、内容は実に18カテゴリー・79テーマに及びます。
そのそれぞれを、同院の専門医が執筆しています。
また、そのうちの13テーマでは、「3Dソフトを使った肝臓手術」「CTCによる最新大腸がん診断」など、同院で実施している先端医療を紹介しています。
「情報過多のなか、正確な情報を届けたい」
専門的な内容ですが、イラストや写真が豊富にあり、医学用語も易しい言葉に置き換えられているので、読みやすいのが特徴です。
同院の上西紀夫院長は「情報があふれている中、正確な医療情報をお伝えしたいという気持ちがありました」と話します。
同院は北多摩北部医療圏で唯一の救命救急センターとなっているほか、地域がん診療連携拠点病院になるなど、地域医療の中核をなしています。
詳しくは同院(042・461・0052)へ。
『公立昭和病院の最新の医療 病気と治療のやさしい説明』(編著=公立昭和病院、発行=バリューメディカル、1620円、A4判144ページ)は一般書店および同院内売店で発売中。