耳・鼻・喉のドックが必要な理由とは!?   西東京中央総合病院・耳鼻咽喉科 渡嘉敷邦彦医師

西東京中央総合病院が取り組んでいる、全国でも珍しい「耳・鼻・喉のドック」。人間ドックでは分からない異変を発見できるメリットがあり、今では日本各地からドックの受診者が来院しています。

導入から丸2年のこの春、新しい専門医も増え、体制もさらに充実。新スタッフの渡嘉敷邦彦医師にお話を伺いました。

内視鏡検査をする渡嘉敷医師。耳鼻咽喉は頭部に近いため、手術を伴う疾患は早期発見が極めて重要。渡嘉敷医師は「40歳を過ぎたら、一度は『耳・鼻・喉のドック』を」と話す

全国でも珍しい「ドック」の内容は

――全国メディアで紹介されるなど、注目を集める「耳・鼻・喉のドック」です。まず、その内容を教えてください。

「検査項目は、『内視鏡を用いての耳・鼻・喉の検査』『副鼻腔、内耳のCT』『鼓膜の検査』『7種類の音程による聴力検査』が基本です。

特に内視鏡検査が重要で、その場で、患者様と一緒にモニターを見ながら行います。

検査は約1時間ですが、その場でご説明をしますので、結果を聞くために後日に出直すといった手間はありません」

 

――このドックは全国でも珍しいとか。

「私は耳鼻咽喉科を専門に、東京医科大学病院に長く勤務してきましたが、ほかでは聞いたことがありません。

実際、カルテをさかのぼると、日本全国からドックを受診にいらしています」

 

――ニーズはあるのに、珍しいのはなぜ?

「各病院の判断なので何とも言えませんが、専門性の高さと、手間がかかるからかもしれません。

脳ドックなどは、撮影された画像を医師が見て鑑別するというのが一般的で、医師が1件に1時間もかかわることはほぼありません。

当院の耳・鼻・喉のドックでは内視鏡検査からご説明まですべて医師が行っています。丁寧な検査をしていると自負しています」

 

早期発見には、専門的検査が有効

――人間ドックでは不十分なのですか?

「一般的な人間ドックでは、耳・鼻・喉を精密に検査しないという実情があります。

腫瘍などについては血液検査による腫瘍マーカーなどでカバーできるという考えもありますが、現状では確実ではありませんし、早期発見には、やはり内視鏡検査による見た目の所見が一番有効です。

頭部に近い耳鼻咽喉の場合、腫瘍切除などは容易ではありませんので、できるだけ小さなうちに病変を見つけることが大切です」

 

――どんな人が受診すべきでしょうか。

「まずは症状のある方です。飲み込みに違和感がある、聞こえが悪くなった、声枯れがする、といった症状です。

『年のせい』とやり過ごす方がいますが、例えば声枯れなどは喉頭がんの初期症状でもあるので、軽く見てはいけません。

また、加齢とともに病気のリスクは上がりますので、ご高齢者にはぜひ受診していただきたいです。

個人的には、40歳を過ぎたら、1度は受診いただきたいと思っています。特に、喫煙者、よくお酒を飲む方、辛いものがお好きな方、忙しくストレスの多い方には、ぜひお勧めしたいです。

耳鼻咽喉では、初期症状がない病気も少なくありません。この機会に、軽い気持ちで受診いただければと思います」

なお、同ドックは2万5000円(税込)。曜日で時間が異なる。詳しくは下記へ。

* * *

【こんな人にお勧め】
・聴力が正常か知りたい
・鼻づまり、繰り返す鼻出血、 悪臭を伴う鼻汁がある
・声がかすれてきた
・飲酒、喫煙習慣がある
・飲み込みづらくなった
・のどに違和感がある

【検査概要】
検査日:毎週月・火・木曜 ※完全予約制  ※時間は曜日で異なる 検査料:25,000円(税込)


2020/5/3

西東京中央総合病院

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